酵素結合抗体法 (ELISA) によるトビイロウンカおよびイネからのイネグラッシースタントウイルスの検出
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概要
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イネグラッシースタントウイルス感染水稲から径 6-12 nmのひも状粒子を純化し,抗血清を作製した。寒天ゲル内二重拡散法によって抗血清の性状を調べたところ, 感染水稲汁液, 保毒トビイロウンカ磨砕液およびHibino et al. (1985) の方法で純化したfilamentous nucleoproteinと特異的に反応し, 沈降線は融合した。本抗血清から精製したγ-グロブリンは, 感染葉汁液の感染性を中和した。ひも状粒子は, 酵素結合抗体法 (ELISA) によって1個体/8 mlまで希釈した獲得吸汁虫集団の磨砕液および10^<-5>に希釈した感染葉汁液から検出され, 無毒虫磨砕液および健全葉汁液から検出されなかった。純化した filamentous nucleoproteinは, A_<260>=1.0×10^<-5>に希釈した場合もELISAで反応が認められた。25Cで1か月保存した媒介虫および室温で4か月保存した感染葉も陽性であったが, 凍結保存および新酢な材料と比較すると反応は低下した。獲得吸汁虫を個体別に媒介の有無とELISAでの反応を調べたところ, ともに陽性であった個体は40%, ELISAが陽性で媒介の認められなかった個体は41%, ともに陰性であった個体は19%であった。1982年に1,126頭の海外飛来トビイロウンカを供してELISAによって本ウイルスの保有の有無を検定した。陽性の反応が認められた個体は1頭 (約0.1%) であった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1985-10-25
著者
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