新規メトキシイミノアセトアミド系殺菌剤 SSF-126の活性発現に対するイネ葉成分の関与について
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概要
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イネいもち病に対して高い防除活性を示すSSF-126は, イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)のスライドグラス上での分生胞子発芽やセロファン膜侵入を1.0 ppm以上の濃度においても完全には阻害せず, また, メラニン合成阻害も示さなかった。しかし, イネ体磨砕物の共存下では発芽を顕著に阻害した。以上の結果とこれまでの報告から, (1) SSF-126は侵入したイネいもち病菌の呼吸を阻害するが, (2) いもち病菌体にシアン耐性呼吸鎖が誘導される。しかし, (3) イネ体中のフラボノイド化合物によってこの誘導過程が阻害され, その結果いもち病菌は侵入後蔓延出来ず発病に至らないと推定した。これは本剤がいもち病菌のイネ体侵入後に活性を発現するというこれまでの知見をよく説明しており, 新規制御剤開発の指標となる機構の一つと考えられた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1997-04-25
著者
-
白石 友紀
岡山大学農学部総合農業科学科
-
川口 章
Aburahi Laboratories Shionogi & Co. Ltd.
-
新川 求
Abrahi Laboratories, Shionogi and Co., Ltd.
-
益子 道生
塩野義製薬 油日ラボ
-
益子 道生
Aburahi Laboratories Shionogi And Co. Ltd.
-
益子 道生
塩野義製薬
-
久米 龍一
塩野義製薬株式会社動植薬技術部
-
新川 求
塩野義製薬株式会社油日ラボラトリーズ
-
川口 章
塩野義製薬株式会社油日ラボラトリーズ
-
八隅 慶一郎
塩野義製薬株式会社油日ラボラトリーズ
-
新川 求
Abrahi Laboratories Shionogi And Co. Ltd.
-
新川 求
塩野義製薬(株)油日ラボラトリーズ
-
久米 龍一
塩野義製薬(株) ; 動植薬技術部
-
白石 友紀
岡山大学農学部植物病理学研究室
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