ピサチンのエンドウ褐紋病菌に対する感染阻害作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
エンドウ褐紋病閑の柄胞子は500ppmのピサチン水溶液中においても発芽や発芽管伸長が阻害されず, ピサチンに対して高度の耐性を有している。しかしながら, 人為的に胞子懸濁液中にピサチンを与えてエンドウに接種すると, 抗菌濃度以下(50ppm)のピサチンによって, その感染が著しく阻害される。さらに, セロファンをピサチン溶液上に浮かべて, 褐紋病菌胞子をセロファン上で発芽させると, その穿孔能が著しく阻害される。以上のことから, ピサチンは純寄生性の病原菌と同様に, 非純寄生性症原菌に対しても感染阻害作用を有し, このことは病原菌の侵害力を不活化することにより, 宿主の感染に対する防禦反応に重要な役割を果していることを示唆する。
- 日本植物病理学会の論文
- 1978-12-25
著者
関連論文
- 一般廃棄物の燃焼飛灰の溶出液がヒョウタンゴケ原糸体の細胞分裂に与える影響
- ハクサイ炭疽病および黒すす病に対するプラントアクティベーターの効果と影響
- (23) エンドウの抵抗性発現とその制御 : II. Phenylalanine ammonia-lyase(PAL)遺伝子結合タンパク様物質の諸性質 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (9) エンドウ褐紋病菌の生産するelicitorとsuppressorの作用について (昭和63年度地域部会講演要旨(関西部会講演要旨))
- (91) エンドウの抵抗性発現とその制御(I) : 上胚軸の菌体成分に対する反応 (昭和63年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (26) オオムギの全身誘導抵抗性 : 誘導因子の検索 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (20) 病原菌によるエンドウ病害抵抗性の制御 : (6)ポリホスホイノシチド代謝系と原形質膜ATPase間の相互制御 (日本植物病理大会)
- (19) エンドウ細胞壁ATPase活性に対する褐紋病菌サプレッサーの作用 (日本植物病理大会)
- (82) 病原菌によるエンドウ病害抵抗性の制御 : (4)病原菌シグナルによるエンドウ原形質膜内ホスホリパーゼCの活性制御 (関西部会)
- (81) 褐紋病菌サプレッサーおよびそのペプチド部分のエンドウ原形質膜ATPase活性に対する阻害効果 (関西部会)
- (121) エンドウ褐紋病菌サプレッサーのNMRによる構造研究 (日本植物病理学会大会)
- (120) 褐紋病菌サプレッサーによるエンドウ原形質膜ATPase活性の阻害 (日本植物病理学会大会)
- (119) 病原菌によるエンドウ病害抵抗性の抑制 : (3) エンドウ原形質膜ATPaseとリン脂質代謝との関連について (日本植物病理学会大会)
- アポプラストの機能と無機元素(2002年名古屋大会シンポジウムの概要)
- エンドウうどんこ病菌 Erysiphe pisi発芽胞子の水抽出液はオオムギ子葉鞘上のオオムギうどんこ病菌 E. graminisの感染を抑制する
- ネオティフォディウム・エンドファイトへのiaaM 遺伝子形質転換体の作出
- 根頭癌腫病菌における原核型iaa遺伝子発現の植物腫瘍化に及ぼす影響
- 新規メトキシイミノアセトアミド系殺菌剤 SSF-126の活性発現に対するイネ葉成分の関与について
- 激害型マツ枯損木より有毒代謝産物の分離 : 同定とそれらの毒性について
- トマト青枯病細菌Ralstonia solanacearumの非病原化プラスミドpJTPS1の構造解析
- (171) 非病原性 Pseudomonas solanacearum M4S のプラスミドpJTPS1による病原性菌の形質転換と形質転換体の病原性 (日本植物病理学会大会)
- Pseudomonas solanacearumの非病原性突然変異株から分離されたプラスミド
- (7) エンドウ褐紋病菌の生産するサプレッサーの精製および作用機構 (関西部会)
- (21) サクラてんぐ巣病苗(Taphrina wiesneri)のインドール酢酸(IAA)合成酵素の精製とIAA生産欠損株について (関西部会講演要旨)
- うどんこ病菌接種エンドウ葉におけるピサチンの生合成と分解
- (82) ブドウの褐点病について (昭和51年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 高速液体クロマトグラフィーによるイソフラボノイド系フィトアレキシンの迅速定量法について
- C413 樹幹注入松枯れ防止剤 : マツガードの処理時期の検討
- C314 マツノザイセンチュウ病防止樹幹注入剤試験法の検証
- C313 マツノザイセンチュウ病防止剤 : ミルベメクチン
- (21) エンドウpal遺伝子の発現制御 : エリシター誘導に関与する転写制御因子 (日本植物病理大会)
- (84) エンドウPSPAL (phenylalanine ammonia-lyase遺伝子)の発現制御 : PSRAL2におけるエリシター誘導に必要なシス因子とエンハンサー様因子(関西部会)
- Erysiphe granminis分生胞子接種により誘導されるオオムギの全身抵抗性について
- オオムギ苗の器官切除によるうどんこ病に対する全身抵抗性の誘導について
- エンドウの内生サプレッサーによるキチナーゼおよびグルカナーゼの活性化抑制
- (22) エンドウpal遺伝子の発現制御 : トランスジェニック・タバコにおけるPSPAL1遺伝子の発現様式 (日本植物病理大会)
- (5) エンドウのピサチン生成に対する各種殺菌剤の影響 (日本植物病理大会)
- (4) オオムギの全身抵抗性及び感受性の誘導機構 : シグナル因子の検索 (日本植物病理大会)
- (83) エンドウPSPAL1 (phenylalanine ammonia-lyase遺伝子)の発現制御 : PSPALにおけるエリシター誘導に必要なシス因子の解析 (関西部会)
- トマトおよびキュウリのフザリウム病における誘導抵抗性-病徴ならびに病原菌の増殖
- (145) エンドウ chalcone synthase (CHS) 遺伝子の発現制御機構の解析 (1) (日本植物病理学会大会)
- (108) 切断傷害によってオオムギに誘導される全身抵抗性と感受性 : ファイトアレギシン様物質の生成との関連について (日本植物病理学会大会)
- (87) エンドウの動的抵抗性に関与する遺伝子の発現制御機構 (日本植物病理学会大会)
- エンドウつる枯病菌のhrp領域のクローニングと解析
- 植物疾病における認識と特異性
- 親和性関係にあるエンドウつる枯病細菌の宿主エンドウに対するピサチンとフェニールアラニンアンモニア・リアーゼ-mRNAの蓄積抑制
- (74) エンドウの chalcone synthase (CHS) 遺伝子の構造解析 (日本植物病理学会大会)
- (73) エンドウ phenylalanine ammonia lyase-cDNAの構造解析 (日本植物病理学会大会)
- (72) エンドウの phenylalanine ammonia-lyase (PAL)遺伝子の構造解析 (日本植物病理学会大会)
- (69) エンドウの Chalcone Synthase (CHS) 遺伝子のクローニング (関西部会)
- (5) エンドウのphenylalanine ammonia-lyase (PAL)遺伝子のクローニング (関西部会講演要旨)
- (86) 腫瘍形成病原細菌における iaa 遺伝子の病原性に及ぼす影響 (関西部会)
- (177) 植物病原細菌におけるiaa遺伝子とISエレメント (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (8) エンドウ褐紋病菌エリシターに対する宿主の応答について (関西部会)
- (76) エンドウ褐紋病菌 Suppressor の作用機構 (4) : Suppressor の原形質膜 ATPase 阻害活性の特異性について (関西部会)
- エンドウ褐紋病菌サプレッサーとバナジン酸によるキチナーゼ, β-1,3-グルカナーゼの活性化抑制
- (101) 健全エンドウ中に存在するピサチン蓄積抑制因子について(3) (日本植物病理学会大会)
- (72) 健全エンドウ中に存在するピサチン蓄積抑制因子 (関西部会)
- (27) 健全エンドウ中に存在するピサチン蓄積抑制因子について (平成2年度大会講演要旨)
- サクラてんぐ巣病菌(Taphrina wiesneri), モモ縮葉病菌(Taphrina deformans)のクロフィブリン酸耐性変異株におけるインドール酢酸生産と染色体DNA構成
- 植物増生病を引き起こすタフリナ属菌のインドール酢酸生合成
- (5) サクラ天狗巣病菌のオーキシン生産について (昭和62年度地域部会講演要旨(関西部会講演要旨)
- 数種の情報伝達系阻害剤によるピサチン蓄積の抑制について
- (22) エンドウのpisatin生合成系誘導過程の解析 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (16) ピサチン蓄積の制御機構について : 健全エンドウ中のピサチン蓄積阻害因子(II) (昭和62年度地域部会講演要旨(関西部会講演要旨)
- (10) エンドウの病害抵抗性に関する遺伝子発現の制御機構 I. gPAL-1. 遺伝子のシスエレメントの検索 (関西部会)
- エンドウ褐紋病菌の生産するエリシターおよびサプレッサーによるピサチン生合成の制御について
- ピサチンのエンドウ褐紋病菌に対する感染阻害作用
- 植物の病害抵抗性,病原菌の病原性機構と病害防除
- 感染生理研究の展望
- オオムギのうどんこ病に対する抵抗性に果たす表皮と葉肉の役割
- バナジン酸によるエンドウ培養細胞におけるフィトアレキシン生産の誘導(英文)
- エンドウつる枯れ病細菌の感染によるエンドウ原形質膜ATPaseのin vivoにおける阻害
- (9) 病原菌によるエンドウ病害抵抗性の制御機構 (1) : ポリホスホイノシチド代謝系の制御 (関西部会)
- (6) エンドウ chalcone synthase (CHS) 遺伝子の構造解析 (2) (関西部会)
- 植物の感染防御機構--病原菌シグナルによる制御
- 農薬と環境と安全性シンポジウム(第 3 回)
- (100) エンドウ褐紋病菌サプレッサーの作用機構 : (5) キチナーゼ, β-1,3 グルカナーゼに及ぼす影響について (日本植物病理学会大会)
- 健全オオムギ葉中のうどんこ病菌感染促進因子について
- エンドウ・PALキメラ遺伝子プロモータを導入したトランスジェニック・タバコにおける菌類感染および傷害に対する発現の解析
- エンドウのエリシターシグナルの伝達初期過程におけるジアシルグリセロール生成
- 植物細胞壁が病原菌を認識する
- オオムギうどんこ病におけるファイトアレキシン活性
- エンドウうどんこ病におけるピサチンの生成と寄主細胞の壊死との関係
- 激害型枯損マツより分離した異常代謝産物のマツ幼苗およびマツノザイセンチュウに対する作用
- エンドウ褐紋病菌の生産するピサチン誘導および抑制物質
- 激害型マツ枯損病に対するマツの抵抗性機構としての動的抵抗性
- 褐紋病菌サプレッサーによるエンドウ原形質膜 ATPase 再構成膜におけるプロトンポンプ活性の抑制
- オオムギ葉上におけるうどんこ病菌菌糸の伸長並びにコロニー発達に及ぼす接種前加熱温度の影響
- 熱処理オオムギ葉における不親和性うどんこ病菌の受容性誘導能
- オオムギうどんこ病にみられる熱誘導感受性の二相性について
- オオムギうどんこ病における熱誘導感受性の特性について
- 植物病原細菌のべん毛を介した植物相互作用
- 微生物と植物との相互作用
- IV-2 細胞壁・無機イオンと植物防御応答(IV アポプラストの機能と無機元素)
- 21世紀,人類はどこに向かっているのか?(談話室)
- エンドウ褐紋病菌サプレッサーによるエンドウ葉上におけるO_2-生成の種特異的抑制 非病原菌を接種したエンドウ, ササゲ無傷葉上では10分以内にNBT還元活性が有意に上昇したが, 褐紋病菌 (病原性系統OMP-1) 接種エンドウ葉では水対照区レベルであった. OMP-1エリシターは5分以内に両植物葉のNBT還元活性を上昇させたが, 同菌のサプレッサーはこの活性上昇をエンドウでは阻害し, ササゲでは逆に誘導した. これら褐紋病菌のシグナル物質で誘導されるNBT還元活性はSOD共存下で水対照区レベルまで阻害され
- 植物による病原菌の認識機構
- 初期・表層シグナル伝達系と防御システム
- 一般廃棄物の燃焼飛灰の溶出液がヒョウタンゴケ原糸体の細胞分裂に与える影響