オオムギうどんこ病にみられる熱誘導感受性の二相性について
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概要
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オオムギ品種コビンカタギとH. spontaneum nigrum のもどし交配から得られた isogenic line を用いて, うどんこ病感染成立におよぼす接種前熱処理効果について調べた。感染成立頻度, 菌糸長, 胞子形成などから, 熱処理効果には三相が存在することが明らかになった。第一相は45C-45分処理で顕著な熱誘導感受性の相であって, この効果は処理後24時間位で消失する。第二相は50C-53Cの処理でみられる誘導感受性の不活性化の相である。第三相は55C-60秒にみられる誘導感受性の相であって, この相は肉眼的に認められるコロニーが形成される点で, 第一相の誘導感受性とは質的に異なるものと考えられる。一旦誘導された感受性が不活化される第二相の速度論的解析から, 熱誘導感受性の不活化は一次反応式にしたがい, したがって宿主細胞の病原菌受容または拒否は all-or-none 形式で決定されると考えた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1976-04-25
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