エンドウ褐紋病菌サプレッサーとバナジン酸によるキチナーゼ, β-1,3-グルカナーゼの活性化抑制
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
エンドウ褐紋病菌 Mycosphaerella pinodes はその柄胞子発芽液中にエリシターおよびサプレッサーを分泌する。本報告では,抵抗反応の一つと考えられているキチナーゼおよびβ-1,3-グルカナーゼの活性化に及ぼすエリシターとサプレッサーおよびP型ATPaseの阻害剤であるバナジン酸の影響を調べた。エンドウ, ダイズ, インゲンをエリシターで処理すると, 両酵素の活性増高が誘導された。しかし, 1mMバナジン酸の共存下では, いずれの植物においても活性の増高は抑制された。一方, サプレッサーは供試植物の中でエンドウに対してのみ抑制効果を示した。本結果は, 原型質膜ATPaseの阻害とキチナーゼおよびβ-1,3-グルカナーゼの抑制に強い関連のあることを示唆している。
- 日本植物病理学会の論文
- 1992-07-25
著者
-
白石 友紀
岡山大学農学部総合農業科学科
-
吉岡 博文
名古屋大院農
-
奥 八郎
岡山大
-
那須 公雄
岡山大学農学部:(現)日本新薬株式会社
-
一瀬 勇規
岡山大学農学部
-
山田 哲治
岡山大学農学部
-
奥 八郎
岡山大学農学部
-
吉岡 博文
岡山大学農学部
-
白石 友紀
岡山大学農学部植物病理学研究室
関連論文
- 一般廃棄物の燃焼飛灰の溶出液がヒョウタンゴケ原糸体の細胞分裂に与える影響
- ハクサイ炭疽病および黒すす病に対するプラントアクティベーターの効果と影響
- (3)INF1処理トマトにおける遺伝子発現の網羅的解析とエチレンシグナル伝達系の活性化(東北部会講演要旨,平成19年度地域部会講演要旨)
- (23) エンドウの抵抗性発現とその制御 : II. Phenylalanine ammonia-lyase(PAL)遺伝子結合タンパク様物質の諸性質 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (9) エンドウ褐紋病菌の生産するelicitorとsuppressorの作用について (昭和63年度地域部会講演要旨(関西部会講演要旨))
- (314) タバコ植物の青枯病菌感染応答におけるアスパラギンリッチタンパク質の関与(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (15)ベンサミアナタバコ植物の感染防御応答におけるNO生成関連因子NbNOA1の関与(関西部会講演要旨,平成19年度地域部会講演要旨)
- (130) AAL毒素で誘導される細胞死にはエチレン生合成およびその作用シグナル伝達が関与する(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (129) 恒常活性型StCDPK5を導入したジャガイモ植物は疫病菌に耐性を示す(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (128) CDPKの脂質修飾部位がStrbohB依存性の活性酸素生成に関与する(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (127) PPS8のサイレンシングはジャガイモ疫病菌に対する感受性を高める(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (126) ジャガイモNADPH oxidase遺伝子プロモータの制御機構(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (125) MAPKカスケードはNOA1(NOS1)を介したNOとNADPHオキシダーゼを介した活性酸素種生成を制御する(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (124) INF1エリシター処理ベンサミアナタバコ葉におけるペルオキシ亜硝酸イオンの生成(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (56) セラミドホスホリルエタノールアミン関連化合物の示す活性酸素とNOの生成活性(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ジャガイモファイトアレキシン合成遺伝子プロモータの制御機構の解析(関西部会講演要旨,平成18年度地域部会講演要旨)
- PPS8標的遺伝子の探索(関西部会講演要旨,平成18年度地域部会講演要旨)
- MAPKカスケードは活性酸素種とNO生成を制御する(関西部会講演要旨,平成18年度地域部会講演要旨)
- ベンサミアナタバコ植物でのNO生成におけるNbNOS1の関与(関西部会講演要旨,平成18年度地域部会講演要旨)
- (124) 恒常活性型CDPKを導入したジャガイモ植物は疫病菌に耐性を示すが夏疫病菌には感受性を示す(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (123) INF1エリシターおよび病原菌毒素による細胞死がAlternaria alternataの感染に及ぼす影響(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- INF1エリシターによる過敏感細胞死がAlternaria alternataの感染に与える影響(関西部会講演要旨,平成18年度地域部会講演要旨)
- (17)ジャガイモ形質転換体を用いたPotato Vetispiradiene Synthase 3 遺伝子のプロモーター解析
- アポプラストの機能と無機元素(2002年名古屋大会シンポジウムの概要)
- (147) AAL毒素による細胞死にERFが関与する(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- エンドウうどんこ病菌 Erysiphe pisi発芽胞子の水抽出液はオオムギ子葉鞘上のオオムギうどんこ病菌 E. graminisの感染を抑制する
- ネオティフォディウム・エンドファイトへのiaaM 遺伝子形質転換体の作出
- 根頭癌腫病菌における原核型iaa遺伝子発現の植物腫瘍化に及ぼす影響
- 新規メトキシイミノアセトアミド系殺菌剤 SSF-126の活性発現に対するイネ葉成分の関与について
- 激害型マツ枯損木より有毒代謝産物の分離 : 同定とそれらの毒性について
- (130) ベンサミアーナタバコにおけるウリ類炭疽病菌cossd1破壊株の感染抑制にはSIPK/WIPKの活性化が関与する(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (125) PPS8/StWRKY4のリン酸化による機能制御(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (135) ベンサミアーナタバコにおけるウリ類炭疸病菌classd1破壊株の感染抑制にはSIPK/WIPKが関与する(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- トマト青枯病細菌Ralstonia solanacearumの非病原化プラスミドpJTPS1の構造解析
- Pseudomonas solanacearumの非病原性突然変異株から分離されたプラスミド
- (17)イネのツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子Grh3の単離とその作用機構(関西部会講演要旨,平成19年度地域部会講演要旨)
- (287) イネのツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子Grh3の単離とその作用機構(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- うどんこ病菌接種エンドウ葉におけるピサチンの生合成と分解
- (82) ブドウの褐点病について (昭和51年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 高速液体クロマトグラフィーによるイソフラボノイド系フィトアレキシンの迅速定量法について
- C413 樹幹注入松枯れ防止剤 : マツガードの処理時期の検討
- C314 マツノザイセンチュウ病防止樹幹注入剤試験法の検証
- C313 マツノザイセンチュウ病防止剤 : ミルベメクチン
- (61)Agroinfiltration法によるPotato Vetispiradiene Synthase 3遺伝子プロモータの機能解析(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (38)Potato Vetispiradiene Synthase 3遺伝子の単離およびジャガイモ培養細胞におけるプロモーター解析(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- Erysiphe granminis分生胞子接種により誘導されるオオムギの全身抵抗性について
- オオムギ苗の器官切除によるうどんこ病に対する全身抵抗性の誘導について
- エンドウの内生サプレッサーによるキチナーゼおよびグルカナーゼの活性化抑制
- トマトおよびキュウリのフザリウム病における誘導抵抗性-病徴ならびに病原菌の増殖
- エンドウつる枯病菌のhrp領域のクローニングと解析
- 親和性関係にあるエンドウつる枯病細菌の宿主エンドウに対するピサチンとフェニールアラニンアンモニア・リアーゼ-mRNAの蓄積抑制
- (30)ジャガイモ疫病菌接種に対するタバコ植物の細胞応答
- (126) リボフラビン合成は植物免疫応答に関与する(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (16)NOA1を介したNOバーストとNADPHオキシダーゼを介したオキシダティブバーストは個々の病害抵抗性において異なる役割を果たす(関西部会講演要旨,平成19年度地域部会講演要旨)
- (290) INF1処理トマトにおける防御関連遺伝子の発現解析(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- エンドウ褐紋病菌サプレッサーとバナジン酸によるキチナーゼ, β-1,3-グルカナーゼの活性化抑制
- サクラてんぐ巣病菌(Taphrina wiesneri), モモ縮葉病菌(Taphrina deformans)のクロフィブリン酸耐性変異株におけるインドール酢酸生産と染色体DNA構成
- 植物増生病を引き起こすタフリナ属菌のインドール酢酸生合成
- ジャガイモ疫病菌が生産するサプレッサーによるフェニルアラニンアンモニア・リアーゼ mRNA の蓄積抑制
- (59) ジャガイモ植物における防御遺伝子の発現制御 : ジャガイモ疫病菌が生産するサプレッサーの PAL および HMGR 遺伝子発現に及ぼす影響 (関西部会)
- (86) ジャガイモ植物における防御遺伝子の発現制御 : ジャガイモ疫病菌を接種した塊茎組織におけるPALおよびHMGR-mRNAの蓄積動向 (関西部会)
- (29)ジャガイモ培養細胞における3-hydroxy-3-methylglutaryl CoA reductase2遺伝子のプロモーター解析
- ジャガイモ植物における3-hydroxy-3-methylglutary CoA reductase2および3遺伝子のプロモーター解析(平成12年度 日本植物病理学会大会 講演要旨)
- (12) ジャガイモ植物における3-hydroxy-3-methylglutaryl CoA reductase 3遺伝子のクローニングおよびその構造解析 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (112) ジャガイモにおける3-hydroxy-3-methylglutaryl CoA reductase遺伝子のクローニング
- 数種の情報伝達系阻害剤によるピサチン蓄積の抑制について
- (16) Phytophthora capsiciの菌体エリシターによる宿主懸濁培養細胞のCa^遊離の促進とサプレッサーグルカンによるその抑制 (日本植物病理大会)
- (48)タバコ植物の防御応答におけるユビキチン依存タンパク質分解系の関与について(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- エンドウ褐紋病菌の生産するエリシターおよびサプレッサーによるピサチン生合成の制御について
- ピサチンのエンドウ褐紋病菌に対する感染阻害作用
- ジャガイモ植物におけるセスキテルペンシクラーゼ遺伝子の単離およびその構造解析(平成12年度 日本植物病理学会大会 講演要旨)
- 植物免疫におけるMAPキナーゼとラジカルバースト (植物における環境と生物ストレスに対する応答) -- (植物と微生物および昆虫との相互作用)
- (64)アピラーゼは,Nicotiana benthamianaにおける細胞死を伴う防御シグナル伝達経路には関与しない(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- オオムギのうどんこ病に対する抵抗性に果たす表皮と葉肉の役割
- バナジン酸によるエンドウ培養細胞におけるフィトアレキシン生産の誘導(英文)
- エンドウつる枯れ病細菌の感染によるエンドウ原形質膜ATPaseのin vivoにおける阻害
- (9) 病原菌によるエンドウ病害抵抗性の制御機構 (1) : ポリホスホイノシチド代謝系の制御 (関西部会)
- 健全オオムギ葉中のうどんこ病菌感染促進因子について
- エンドウ・PALキメラ遺伝子プロモータを導入したトランスジェニック・タバコにおける菌類感染および傷害に対する発現の解析
- NINJAはコリプレッサーTOPLESSとジャスモン酸シグナルをつなぐ : 植物ホルモンの受容による新しい転写制御機構の役割は?
- (25) ジャガイモ植物におけるsesquiterpene cyclaseおよびsqualene synthetase cDNAの単離 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- エンドウのエリシターシグナルの伝達初期過程におけるジアシルグリセロール生成
- 植物細胞壁が病原菌を認識する
- オオムギうどんこ病におけるファイトアレキシン活性
- エンドウうどんこ病におけるピサチンの生成と寄主細胞の壊死との関係
- 激害型枯損マツより分離した異常代謝産物のマツ幼苗およびマツノザイセンチュウに対する作用
- エンドウ褐紋病菌の生産するピサチン誘導および抑制物質
- (10) 菌体エリシター処理または非親和性菌の感染したジャガイモ魂茎組織で誘導される活性酸素生成反応のオートフォトグラフィーによる解析 (関西部会)
- (4) ジャガイモ植物における防御遺伝子の発現制御 : 疫病菌を接種した塊茎組織のポリソームにおけるHMGR mRNAの解析 (日本植物病理学会大会)
- (1) 病原菌シグナルによるエンドウ病害抵抗性の制御 (8) : セカンドメッセンジャーのin vitroにおける探索 (日本植物病理学会大会)
- 激害型マツ枯損病に対するマツの抵抗性機構としての動的抵抗性
- 褐紋病菌サプレッサーによるエンドウ原形質膜 ATPase 再構成膜におけるプロトンポンプ活性の抑制
- 植物病原細菌のべん毛を介した植物相互作用
- 微生物と植物との相互作用
- IV-2 細胞壁・無機イオンと植物防御応答(IV アポプラストの機能と無機元素)
- 21世紀,人類はどこに向かっているのか?(談話室)
- エンドウ褐紋病菌サプレッサーによるエンドウ葉上におけるO_2-生成の種特異的抑制 非病原菌を接種したエンドウ, ササゲ無傷葉上では10分以内にNBT還元活性が有意に上昇したが, 褐紋病菌 (病原性系統OMP-1) 接種エンドウ葉では水対照区レベルであった. OMP-1エリシターは5分以内に両植物葉のNBT還元活性を上昇させたが, 同菌のサプレッサーはこの活性上昇をエンドウでは阻害し, ササゲでは逆に誘導した. これら褐紋病菌のシグナル物質で誘導されるNBT還元活性はSOD共存下で水対照区レベルまで阻害され
- 植物による病原菌の認識機構
- 初期・表層シグナル伝達系と防御システム
- 一般廃棄物の燃焼飛灰の溶出液がヒョウタンゴケ原糸体の細胞分裂に与える影響