エンドウ・PALキメラ遺伝子プロモータを導入したトランスジェニック・タバコにおける菌類感染および傷害に対する発現の解析
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概要
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5'-PAL遺伝子プロモータ上流領域(-2196〜+110)を順次削り取り, GUSレポーター遺伝子に連結したキメラ遺伝子をタバコに導入後, 4種PSPAL2-FL(-2196〜+l10), PSPAL2-FLd1(-1486〜+110), PSPAL2-FLd2(-966〜+110), PSPAL2-FLd3(-594〜+110)のトランスジェニック植物体を作出した。トランスジェニッククバコ葉におけるGUS発現様式を組織学的に観察したところ, タバコの非病原菌(Phytophthora capsici)接種において, PSPAL2-FLおよびPSPAL2-FLd1導入体では, 接種2日目で過敏感反応を起こした組織の周辺細胞できわめて顕著なGUS発現が検出されたのに対し, 病原菌(Phytophthora nicotiana)接種葉では, 微弱なGUS発現が接種部位周辺に拡がって検出された。また, 剃刀でタバコ葉に付傷した場合にも顕著なGUS発現がみられた。これらの結果は, PSPAL2の遺伝子発現は病原菌接種に限らず, 傷によっても誘導されること, 本発現にはプロモータ上流域(-2196〜ー966)が必要であることを示している。
- 日本植物病理学会の論文
- 1999-04-25
著者
-
白石 友紀
岡山大学農学部総合農業科学科
-
山田 哲治
岡山大農
-
浅井 秀太
名大院生農
-
一瀬 勇規
岡山大学農学部
-
山田 哲治
岡山大学農学部
-
山田 哲二
岡山大学農学部
-
Sriprasertsak Permpong
岡山大学農学部:(現)タイカセサート大学
-
Salamah Andi
岡大院自然科学
-
浅井 秀太
岡山大院自然科学
-
井村 善之
岡山大学農学部
-
SALAMAH Andi
岡山大学農学部
-
白石 友紀
岡山大学農学部植物病理学研究室
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