トマトモザイクウイルス感染プロトプラストに形成される管状構造物
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概要
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トマトモザイイクウイルス(ToMV)が合成する30kDa蛋白質(移行タンパク質:MP)は原形質連絡に局在し,ウイルスの細胞間移行に関与している。本研究では,ToMVのMP遺伝子にGreen fluorescent protein(GFP)遺伝子が融合して,MP:GFP融合タンパク質を発現するキメラToMVを,トマトプロトプラストに感染させた。その結果,感染12時間後より感染プロトプラストの表面から蛍光をともなった管状構造物が形成されるのが蛍光顕微鏡下で観察された。管状構造物は時間の経過とともに伸張した。また,細胞間移行能力のない変異キメラToMVを用いて,同様の実験を行ったところ,管状構造物の形成は見られなかった。この結果,管状構造物の形成はToMVの細胞間移行と密接な関係があり,特に37番目のセリン残基がその形成に関与していると考えられた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1999-12-25
著者
-
高橋 翼
岩手大coe
-
高橋 翼
宇都宮大学農学部
-
渡辺 雄一郎
東京大学大学院総合文化研究科
-
夏秋 知英
宇都宮大学農学部
-
奥田 誠一
宇都宮大学農学部
-
岡田 吉美
帝京大学理工学部
-
渡辺 雄一郎
東大院総合文化
-
夏秋 知英
宇都宮大学バイサイエンス教育研究センター
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