ダイコン葉縁黄化ウイルス : 新グループの種子伝染性二本鎖 RNA ウイルス
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概要
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ダイコン葉縁黄化ウイルス (RYEV) を CsCl 平衡密度勾配遠心分離により純化した。ウイルス粒子は CsCl 中で浮遊密度が約 1.37g/cm^3 のところに1本のバンドを形成した。RYEV 純化試料は典型的な核タンパクの紫外線吸収を示し, その A_<max>/A_<min> と A_<260>/A_<280> の比はそれぞれ約1.10と1.39であった。RYEV はアブラナ科植物に感染する4種のウイルス (turnip crinkle virus, turnip rosette virus, カブモザイクウイルス, キュウリモザイクウイルス) および RYEV に似た粒子形態と生物学的性状を有する10種の種子伝染性ウイルスと血清反応を示さなかった。RYEV の純化試料から SDS-ポリアクリルアミド電気泳動により分子量約63,000と61,000の2種のタンパクのバンドが得られた。RYEV の核酸は高塩濃度下で RNase に耐性で, poly (I) : poly(C) 抗血清と反応することから二本鎖 RNA であることが判明した。RYEV の二本鎖 RNA はポリアクリルアミド電気泳動で分子量が約1.30, 1.25, 1.21×10^6の3本のメジャーバンドと, 同じく1.14, 1.09×10^6の2本のマイナーバンドに分かれた。RYEV とそれに類似する数種の種子伝染性二本鎖 RNA ウイルスは新しい植物ウイルスグループを形成するものと考えられた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1983-12-25
著者
-
奥田 誠一
宇都宮大学農学部
-
山下 修一
東大院農
-
山下 修一
東京大学農学部
-
土居 養二
東京大学農学部
-
寺中 理明
宇都宮大学農学部
-
寺中 理明
宇都宮大農
-
夏秋 知英
宇都宮大学バイサイエンス教育研究センター
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