アスペクト指向プログラミングへのモデル検査手法の適用(<特集>オブジェクト指向技術)

概要

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アスペクト指向プログラミング(AOP)とは,同期制御,資源共有,性能最適化など複数のオブジェクトにまたがる関心事をアスペクトというモジュール概念を用いてオブジェクトとは独立に記述するプログラミング方式である.オブジェクトとアスペクトは織り込み(weaver)と呼ばれる言語処理系により1つのプログラムとして合成される.しかし,AOPでは同期制御など処理的にクリティカルな部分がアスペクトとして個別に記述されることが多く,織り込みにより合成された結果が本当に正しいかどうかを確かめることは必ずしも容易ではない.本論文では,このような問題を解決するため,モデル検査と呼ばれる手法を用いて,合成されたプログラムがデッドロックなどの予期しない動作を引き起こすかどうかを自動的に検査するアプローチを提示する.さらに,モデル検査を効率的に適用するための手段として,AOPのメカニズムを利用した検査フレームワークを提案する。この検査フレームワークを適用することにより,複数のオブジェクトにまたがる検査の仕様をアスペクトとしてプログラム本体から分離して記述することが可能になる.
2002-06-15