オブジェクト間の協調動作を表現する自己反映並行計算モデル

概要

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現在提案されているオブジェクト指向分析/設計法では, オブジェクト間の協調動作はユースケースとシナリオを組み合わせた形で記述されることが多い. ところが, ユースケースには,「各システム機能を実現するための事例として記述されるのみで形式的なものではない」「ユースケース同士の関連性が表現できない」「ユースケースからプログラミング実装への対応が明確ではない」などの問題がある. 本稿では, オブジェクトの置かれている環境を意味するコンテクストという概念を導入した自己反映的な協調計算モデルCWA (Context Wide Architecture) と, これに対応するプログラミング言語Edenを提案する. CWAにしたがうと, ユースケースはコンテクストの特別な場合として取り扱うことができ, しかも, 環境というよりー般的な観点での形式化が可能になる. また, 個々のオブジェクトの振る舞いとそれらが属するコンテクストを分離して記述するため, オブジェクト間の協調動作の理解が容易になる.
一般社団法人情報処理学会の論文
1996-11-15