画数, 筆順, 回転, 区切りに依存しないオンライン手書図形認識方式

概要

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本論文は,オンライン手書図形認識方式について述べている.本図形認識アルゴリズムは,「線分セグメント法」を用いている.まず,入力ストロークを2種の線分要素(直線及び円弧)に分解し,それらを1方向にトレースする.このとき,隣合う線分要素間の角度変化を辞書図形のそれと比較することにより,最終的にマッチングする.この方式により,入力した手書図形に対し,画数フリー,筆順フリー,図形フリーを許容する.一方,図形を入力する際,文字認識における文字枠に相当するものが無いため,個々の図形を切り出す処理が必要となる.そこで,多数の線分要素から図形を自動的かつ高速に抽出する高速部分パターン抽出法を用いる.この結果,接続線と続け描きした図形等も,線分要素を入力順の両端から順次切り落とし,辞書図形と対応させることにより,効率良く切り出しできる.この方式は,従来の総当たり法と比較して,4〜10倍高速に処理できる.認識率は,単純平均で82.7%,また技術文献中の対象図形と一致した図形2,626個中96.4%の作成が可能であることがわかった.認識速度は,16ビットマイクロプロセッサを使用して,約0.5秒/図形である.
一般社団法人情報処理学会の論文
1986-05-15