PIE64の並列処理管理カーネルのアーキテクチャ (<特集>並列処理)

概要

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本論文では,高並列推論エンジンPIE64の要素プロセッサ内の管理プロセッサによって実行される「並列処理管理カーネル」のアーキテクチャを取り上げて,高並列処理において重要な並列処理管理をどのように扱うかについて述べる.並列処理管理カーネルは,いわゆるオペレーティングシステムの核に相当するが,特に負荷分散とスケジューリングに重点を置いているのが特徴である.並列処理管理カーネルは,負荷分散処理の一部である動的負荷分割を担い,並列度等による分割の判断をして,過剰な並列性を抑制し,通信量を低減させる.スケジューりングでは,ヒープメモリ残量や並列度に応じた動的な優先度,そして,実行開始猶予時間を導入する.これらは,爆発的な並列性による資源の枯渇にプログラマが注意を払う必要をなくすこと,並列度をすみやかに向上させること,サスペンド,コソテクストスイッチのコストを減らすことを目的とする.これらの支援により,プログラムの並列性の向上にのみ,プログラマを専心させることを目指す.そして,コンパイラ等による静的負荷分割と並列処理管理カーネルによる動的負荷分割の効果の違いに関する予備評価を行った.その結果,並列性が要素プロセッサ数を大きく上回る場合は動的負荷分割が,それほど大きく上回らない場合は静的負荷分割が,それぞれ有効であり,両者を複合させるのが最も有効であることがわかった.
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-03-15

PIE64の並列処理管理カーネルのアーキテクチャ (<特集>並列処理)

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