Committed-Choice型言語Flengにおける配列処理の最適化

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Committed-Choice型言語Flengは, データフロー同期の機構を用いてすべてのゴール(手続きに相当する)を並列に実行することで, 容易に大量の並列性を抽出することが可能な言語である.しかし, データフロー同期を実現するために, 変数は単一代入であり書き換えることができない.このため, 元の配列の一部を更新した配列を得るためには, 新しい配列を確保して, 変更部分以外を元の配列からコピーする必要がある。また, Flengは配列を扱う際にデータ並列性を直接抽出する機構を持たない.このため, 本来データ並列的に実行できるプログラムでも並列性が抽出できない場合がある.本研究では, 配列の更新におけるコピー操作を除去し, その後データ並列性を抽出することで, 配列処理の最適化を行う手法を提案, 実装, 評価した.配列のコピー除去は, プログラムのデータフロー, 配列の利用を大域的に解析し, それに基づきプログラムの部分的な逐次化を行うことで実現する.また, データ並列性の抽出は, コピー除去を行ったプログラムに対して, 並列化コンパイラで行われているような, ループ運搬依存の解析を行うことで実現する.我々は本手法をFlengコンパイラに実装し, 並列計算機PIE64上で評価を行った.これにより, コピー除去による数倍〜数百倍, データ並列性の抽出により数倍程度のきわめて高い速度向上が達成できることが示された.
一般社団法人情報処理学会の論文
2000-04-15

Committed-Choice型言語Flengにおける配列処理の最適化

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