神経回路網に基づく超並列連想システムWAVE

概要

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現在の汎用な計算機や多くの並列計算機に実装される論理記号処理は、推論や行動決定の一つの処理方法を実現してきた。また計算機の能力の向上により、多くの複雑な問題をも実時間で解決可能になってきている。近年の神経回路網のモデルではそれとはかなり異なる処理が行なわれ、その能力は相補的な部分が多い。分散表現による競合協調性、数値表現性、パターン認識能力、学習性、自己組織化能力、超並列性、準最適解探索能力などが特長としてあげられる。だがこれらの個々の能力は更に相補的であることがわかる。例えば学習にしても、神経回路網の多くのモデルではデータを予めすべて提示しながら繰り返し学習させることを前提としているものが多く、複雑な事例を任意に記録できる従来の計算機の枠組にはまだ及ばない。そこで人間の連想能力をモデル化し、神経回路網による表現および能力を論理記号処理に導入可能なシステムを実装・考察中である。神経回路網内では概念間の関係の強さを実数値として学習し、入力キーの概念の優先度を反映した最適連想解を競合系にて選択する。連想機能は解探索空間を本質的に絞り込み、また各種推論で必要とされる抽象的概念の類似性の抽出、自然言語理解などにおける共起による多義性の解消および状況依存性を反映する手段となりうる。本稿ではそのような連想システムWAVEの神経回路網及び超並列計算機上での具体的な実現方法についての考察を述べる。
社団法人情報処理学会の論文
1992-09-28

神経回路網に基づく超並列連想システムWAVE

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