結束構造および一貫性に基づく場面構造の解析

概要

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テキストや対話を理解するための自然言語理解のプロセスである談話理解の研究の問題点の一つは、談話セグメントの設定の困難さがあげられる。その結果処理の定義の暖昧さの問題が発生する。ここでは文脈情報の一つとしての物理的な場面を談話セグメントとして定義し、段落間の構造、段落内の場面構造の解析を行なう。自然言語処理において多義性などを解消する手段として、場面などの情報を文脈としてトップダウンに与えることが考えられる。場面の切り出しに関しては頑健性のためにボトムアップの方法をとることを考えると、有効な場面を同定する際の問題は、(1)場面が明示的に与えられていないときの対象物による同定、(2)前の場面の継続の判断、(3)場面の構造化、とまとめられる。(2)と(3)は談話の中の場面の構造を切り出し、一つの場面に焦点を当てるという点で(1)の処理を支えるプロセスである。今回はこれらに絞って解析を行なう。またこの結果に従い、実文における場面の移動、切替えが行なわれる過程を工学的に実現する方法を考察する。
社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20