音源分離システムにおけるパターン照合モジュールの並列実装と評価

概要

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われわれは、モノラルの音楽演奏を対象とする音源分離システムについて研究を進めている。これまでに実装および評価を行ってきた音源分離システムには、音記憶を用いたパターン照合処理が含まれている。この照合処理は、システム内に蓄積されている音記憶(音名と楽器音、及び、それに対応するスペクトログラムパターンをもった具体的な音のモデル)から混合音仮説を生成し、入力音楽音響信号との照合を行うことにより、音源の分離同定を行うものである。このような処理では、音記億数、混合音数が増大すると、大量の混合音仮説が生成され、処理時間がかかるという問題があった。しかし、大量の混合音仮説の生成、照合は、データ並列性が高い。そこで今回、音源分離システムにおけるパターン照合モジュールを並列計算機(AP1000)に実装し、処理時間短縮の効果に関する評価実験を行った。AP1000は、富士通研で開発された並列計算機であり、分散メモリ型のメッセージ通信を基本としている。プロセッシングエレメント(CELL)数は64台のものを使用した。
社団法人情報処理学会の論文
1994-03-07