対話履歴とユーザモデルを利用した教示発話プランニング

概要

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本論文では, ユーザとの対話の履歴とユーザモデルを参照することにより, 説明の内容とその提示方法を柔軟に変化させるヒューリステイクスを提案し, さらに, それを利用したプランニングによる教示生成システムの実装について報告する. そのために, まず人間同士の教示対話の分析を行い, 練習, 復習, 失敗時再説明の3つの対話状況で, 教示者の発話内容とターン方略がどのように異なるのかを明らかにした. その結果, 練習では, 教示者は相手の理解を逐次確認しながら行為の指示やそれについての付加的な説明を行うが, 復習では, 付加説明は避け, 一度に多くの指示を行うことにより, 対話を短縮し, 簡略化する, また, 失敗時再説明では, 前とは異なった内容の説明を比較的短い発話に区切って学習者に与えていることが判明した. 次に, これらの結果に基づき, 対話履歴とユーザモデルの情報を利用した発話内容とターン決定のためのヒューリステイクスを提案し, さらにこれらを利用したプランニングに基づく教示生成システムを実現した. 教示発話のプランニングは発話内容と対話方略のプランニングに分けられ, 発話内容のプランニングでは, 付加情報を述べるか否かを決定する際に, また対話方略のプランニングでは, ターンの単位を決定する際にそれぞれヒューリスティクスが適用される. これらのヒューリステイクスを用いることにより, 対話のプランニング途中に, 状況に応じて, 教示の内容とターンを柔軟に変更することができるため, より自然で多様な教示の生成が可能になる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-11-15

対話履歴とユーザモデルを利用した教示発話プランニング

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