自然言語インタフェースにおける省略の扱い
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概要
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代名詞や省略などを利用した文脈の参照は,自然言語による対話を簡潔かつスムーズなものとしている大きな要因である.自然言語インタフェースにおいてもこのような文脈参照を可能とすることによって,人間どうしでの対話と同様な自然さを実現する必要がある.文脈参照方略のひとつである省略(Ellipsis)は,談話中での,不完全かつ断片的な文法的単位(主に名詞句)の利用を指し,この発話断片と統語的もしくは意味的に対応する断片(置換対象)を先行する発話より同定し,先行発話の意味内容の内でこの置換対象に相当する部分を発話断片の意味内容で置換することによって解釈される.本稿では,(1)置換対象の同定において,その候補が複数個存在する場合の優先順位について,アンケート形式で行って実験の結果に基づいて報告する.本実験では,例えば,置換対象候補が共に同じ文の格要素である場合に,候補の優先順位には格種別等が影響し,特に主題化されているものが置換対象として選好されること等を明らかとした.これらの選好から示唆される置換候補探索順序を提案する.(2)省略解釈のために必要となる意味内容置換処理に適した意味表現手法を提案する.本手法は統語構造の各節点に意味内容を構成するための部分的な情報を記述するもので,統語構造と意味内容との対応が明確である点,置換後の再構成が容易である点で省略処理に適したものである.
- 1993-09-15
著者
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