絨毛癌細胞株の腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor)に対する抵抗性の解析
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概要
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絨毛癌細胞株であるGCH-1, BeWo, JEG-3に対するtumor necrosis factor(TNF)-αの抗腫瘍効果について,^3H-thymidine取り込み試験およびtetrazolium salt(MTT)色素取り込み試験を用いて検討を行い,以下の結果を得た. 1) 3種の絨毛癌細胞株は, TNF-α 1,000u/ml, 24時間処理に対し,強い抵抗性を認め,3H-thymidine 試験の%responseは78%以上, MTT試験のdye uptakeにおいても81%以上と高値を示した. 一方,膵癌由来のPanc-1,大腸癌由来のLovoおよび子宮内膜癌由来のIshikawaなど絨毛癌細胞株以外の腫瘍細胞株は,いずれもTNF-αに対し感受性を認め,その添加により3H-thymidine試験の%responseは29±4.6%, MTT試験においてもdye uptakeは平均53±19%と低値を示した. 2) TNF-α 1,000u/mlとその作用増強因子であるinterferon (IFN)-γ100u/mlを併用し,その抗腫瘍効果について検討を行つた. 腫瘍細胞株では, TNF-αおよびIFN-γの単独もしくは併用により, MHC class I抗原の増加が認められた. しかし絨毛癌細胞株では,単独および併用によつても,変化は認められなかつた. 以上の事実は,絨毛癌細胞株の宿主抵抗性の一因を示すと考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-06-01
著者
-
根来 孝夫
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
谷澤 修
大阪大学医学部
-
佐治 文隆
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
古山 将康
大阪大学医学部附属病院 泌尿器科
-
鮫島 義弘
市立豊中病院
-
松崎 昇
大阪大学医学部産婦人科教室
-
鮫島 義弘
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
亀田 隆
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
鮫島 義弘
大阪府立成人病センター
-
鮫島 義弘
大阪大学 産婦人科
-
高橋 俊一
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
松崎 昇
松崎産婦人科
-
谷 澤修
大阪大
-
佐治 文隆
大阪大学医学部産婦人科学教室
-
亀田 隆
大阪大学医学部産婦人科学教室
-
鮫島 義弘
大阪大学医学部産婦人科学教室
-
松崎 昇
大阪大学医学部産婦人科学教室
-
高橋 俊一
大阪大学医学部産婦人科学教室
-
根来 孝夫
大阪大学医学部産婦人科学教室
-
古山 将康
大阪大学医学部産婦人科学教室
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