乳汁漏出無月経婦人におけるBromocriptine短期間歇投与法による排卵誘発
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概要
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乳汁漏出無月経症候群のbrmocriptineたよる治療スゲジュールは未だ確立されていないが,従来より長期連続投与法が広く行なわれている.今回我々は短期間歓投与を創案し,本法の有効性と安全性について検討した.乳汁漏出無月経症34例を対象としたが,高プロラクチン血症は23例に認められた.月経あるいは消退出血の5日目からbromocriptine1日2.5〜7.5mgを1〜5週間にわたって短期反復投与レた.その結果,34例について症例別の排卵率70.6%妊娠率29.4%を得た.また本法の単独療法にて排卵しないもの,あるいは黄体機能不全などで妊娠に至らないものにはcloipheneやhCGとの併用療法を実施し,23例につき症例別妊娠率60.9%を得,極めて有効な方法であることを確認した.1日投与量においては5mgで症例別の排卵率60.9%妊娠率26,7%と最も高く,投与期間が15〜2日で71.4〜76.5%の症例別排卵率を得た.また血中のプロラクチン(PRL)値と排卵率の関係をみると,正常値を示す群が87.5%,中等度上昇群が73.7%,高等度上昇群が25.0%の症例別排卵率を示した.本療法の作用機序を解明するために,bromocriptineto投与前後,血中PRL,LH,FSH,estrdiol(E_2)の動態を検討した.その結果,bromocriptineto投与後;血中やPRLの速やかな低下につづいて14日目にE_2,とLHが有意に増加したが,FSHは変化しなかった.本治療により14例の妊娠と6例の出産に至った例を見ているが経過および新生児に以上はみられなかった.以上,今回我々が考案したbromocriptineの短期間歇投与法検討した結果,下記のことが明らかとなった.(1)乳汁漏出無月経症において高い排卵率を得ることができる.(2)本法による妊娠の経過には異常が無く新生児も正常である.(3)本法によれば,薬剤の使用量を減少させることができるので,長期服用による副作用を軽減させ,児への影響をすくなくすることができ,あわせて費用もかからない.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1980-02-01
著者
-
三宅 侃
大阪大学医学部 産科学婦人科学
-
倉智 敬一
大阪大学医学部産婦人科学教室
-
倉智 敬一
大阪大
-
塩路 武徳
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
安田 基
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
小池 浩司
大阪逓信病院
-
青野 敏博
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
小池 浩司
大阪大学 産婦人科
-
小池 浩司
金沢大学
-
小池 浩司
大阪大学
-
小池 浩司
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
倉智 徹一
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
青野 敏博
大阪大学医学部産婦人科
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