子宮頚管炎患者および無症候性検診者におけるChlamydia trachomatisの分離培養成績について

概要

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群馬県におけるChlamydia trachomatis(以下C.T.)の蔓延度を調査することを目的として, 群馬大学医学部付属病院産婦人科外来を受診した患者から採取した子宮頚管細胞について本病原体の分離培養を行ない, 以下の結果を得た. 1)子宮頚管細胞からのC.T.陽性分離頻度は1,041例中60例(5.8%)で, その内訳は症状を伴った子宮頚管炎患者183例中38例(20.8%), 無症候性検診者858例中22例(2.6%)であった. 今回の成績では無症候性婦人からの分離率は2.6%で群馬県における健康女性のC.T.保有率と考えられた. これに対し症状を伴った頚管炎患者からの分離率は20.8%であり有意に高率であった(p<0.001). 2)30歳未満群と30歳以上群でC.T.分離陽性頻度を比較すると30歳未満群で有意に高率であった(p<0.001). 3)C.T.の細胞質内封入体は位相差顕微鏡により容易に観察され, アクリジンオレンジ染色により網状体と基本小体との鑑別が可能であった.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1991-04-01