各種排卵障害婦人に対するLH-RH脈動的皮下投与法の適応と限界について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
排卵誘発を目的としたLH-RHの脈動的投与法の適応と限界を明らかにする目的で各種排卵障害婦人にLH-RHを脈動的に皮下投与しその臨床成績を検討した. 下垂体性小人症( 1例4周期), ゴナドトロピン単独欠損症(5例22周期), 続発性視床下部性第2度無月経症(10例24周期), 同第1度無月経症(5例8周期), 無排卵周期症(1例2周期)およびPCO(6例16周期)の周期別排卵率はそれぞれ0, 54.5, 83.3, 12.5, 0, 50.0%であり疾患により排卵率に有意の差(p<0.001〜0.05)がみられた. また今回は排卵後黄体期にも引き続きLH-RHの投与を行い, 反復して頻回の排卵誘発を試みた. その結果, 続発性視床下部性第2度無月経症やゴナドトロピン単独欠損症ではこの反復療法によりその反応性が改善することはあっても悪化することはなかった. これに対しPCOでは初回投与周期の排卵率が83.3%と良好であったにもかかわらず2周期目には16.7%と有意に低下した(p<0.05). このようにLH-RHのPulse療法は原疾患により効果および反応性に特異性のあることが明らかとなった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-03-01
著者
-
伊吹 令人
群馬大学医学部産婦人科
-
水沼 英樹
群馬大学医学部産科婦人科教室
-
山田 清彦
群馬大学医学部産科婦人科学教室
-
小原 満雄
群馬大
-
小原 満雄
群馬大学医学部産科婦人科
-
山田 清彦
群馬大学医学部産科婦人科
-
小原 満雄
横田産婦人科医院
関連論文
- 双胎間輸血症候群の供血児(極低出生体重児)への胎盤輸血の効果
- 双胎妊娠における経腟的頸管長計測・UTI膣内投与の有効性について - 予防的頸管縫縮術群ならびに無処置対照群との比較 -
- 高プロラクチン性無排卵症とその治療
- プロラクチン分泌pituitary microadenomaの早期診断 : 無月経患者6例での検討
- 子宮動脈 pulsatility index による妊娠中毒症発症予知の限界(妊娠中毒症発症の背景とその予防)
- P-139 分娩直前の超音波検査による新生児仮死の予測について
- IUGR 先行型早期発症妊娠中毒症は予知可能か?
- BDF-l系マウスを用いた血中レプチン値の日内変動と性周期変動
- 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスク因子と対策(各種専門委員会コーナー)
- 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスク因子と対策
- ゴナドトロピン療法例の発育卵胞数と多胎妊娠発生との関連
- 黄体機能評価における血中プロゲステロン値の変化と子宮内膜日付けの相関
- 子宮頚管炎患者および無症候性検診者におけるChlamydia trachomatisの分離培養成績について
- P-72 血中E_2、インヒビン測定による体外受精胚移植時の卵巣刺激に対する反応の予測
- IR-インヒビン測定キットの有用性に関する検討
- 子宮内膜増殖症のホルモン療法後妊娠し,分娩後に子宮内膜癌に進行した1症例
- 視床下部性中枢に対する各種ホルモン及び薬剤の直接作用に関する研究
- 視床下部性中枢に対するステロイドホルモンのfeedback作用に関する研究
- 髄液細胞診により癌性髄膜炎とした卵巣癌の1例
- 120.妊娠前後に子宮内膜増殖症から子宮内膜癌に進行した一症例 : 子宮体部V
- 352 乳癌の腹腔転移の3症例
- 閉経後骨量減少に対する低用量ホルモン補充療法の試み
- 320 コンプライアンスから見た低用量ホルモン補充療法の試み
- 338 液状保存精子による体外受精胚移植治療成績
- 切迫早産に対する硫酸マグネシウム投与時の選択的イオン電極法による全血中Mgイオン濃度とCaイオン濃度の測定
- 子宮内膜症の薬物治療、そのリスク、ベネフィット(子宮内膜症を取りまく諸問題)
- 体外受精胚移植における着床初期の血中prorenin,active renin濃度およびrenin活性値と着床胚数との相関についての検討
- P-203 多嚢胞性卵巣症候群に対するゴナドトロピン療法時の多胎妊娠予防のためのhCG投与中止基準の検討
- 159 超高感度EIA法による微量hCG測定の意義
- P-148 ヒト卵巣癌におけるhMTH1遺伝子(大腸菌ミューテーター遺伝子mutTヒトホモログ)の解析
- 術後回復経過より見た腹腔鏡下子宮筋腫核出術
- 314 エストロゲン受容体遺伝子多型と閉経前後における骨密度および骨代謝マーカーとの関連
- 原発性骨粗鬆症の診断基準(日本骨代謝学会骨粗鬆症診断基準検討委員会)に対する日本更年期医学会の見解
- 婦人内***におけるCA-125の組織内分布の定量的研究
- P-90 内部標準を用いた定量的PCRによるエストロゲン受容体mRNAの微量測定法の検討
- 骨粗鬆症の診断法としてのMD法の再評価
- 閉経, 去勢婦人の血清オステオカルシン値に対するエストロゲン補充療法の影響
- 1. 内分泌 : b. インヒビンとアクチビン
- 25 体外受精胚移植における重症卵巣過剰刺激症候群予防としての全受精卵凍結保存法の有用性
- Clomiphene投与による人排卵誘発成績(第1報)
- 羊水中プロラクチン(PRL)のイオン的なheterogeneityについての研究
- 子宮内膜日付診断の正確性に関する検討
- 263 各種排卵障害における血中ホルモン動態 : 特にインヒビン値について
- 328. MD法による中高年女性の骨粗鬆症の診断と, その内分泌学的考察
- ラット卵巣におけるプロラクチンレセプターの基礎的検討
- P-18 子宮体癌スクリーニングとしての膣式超音波断層法による子宮内膜厚の測定
- 350 多嚢胞性卵巣(PCO)に対する低用量FSH療法の卵巣過剰刺激症候群(OHSS)予防効果
- 332 低エストロゲン血症性無月経婦人の腰椎骨骨密度とKaufmann療法の治療効果
- 各種排卵障害婦人に対するLH-RH脈動的皮下投与法の適応と限界について
- 無月経におけるLH pulse分泌と視床下部 : 下垂体機能の相関に関する研究
- LH-RH 拍動的投与法に対する無反応例に認められた下垂体の脱感作現象
- 124. LH pulse分泌からみた無月経の再評価
- 長期にわたるLH-RHの脈動的皮下投与法の排卵誘発効果
- 298 LH-RH Pulse療法における排卵誘発成功例, 不成功例の内分泌学的背景因子について
- 不妊治療の現状と問題点
- 退行期骨粗鬆症に対するエストロゲンとビタミンDの骨塩減少抑制効果に関する研究
- 122 FSH製剤Metrodinの各種排卵障害婦人における排卵誘発効果