子宮内膜日付診断の正確性に関する検討
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概要
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正常黄体機能 (高温相持続期間≧11日, 黄体期中期 progesterone 値≧10ng/ml) を有する不妊婦人52例について子宮内膜組織診を施行し, 内膜診実施日を次回月経開始日(NMP法), 最終低温日(BBT法), 尿中LHサージ日 (LH法) の三つの方法で決定し, 各々の子宮内膜日付診断の正確性について比較検討した. さらに, 子宮内膜の morphometric analysis を行いこの診断的意義について検討した. 1) 尿中LHの測定をオルガノンLHカラー(オルガノン社)で行うと, LHカラー(+2)日の血中LH値は35.5±12.6mIU/ml (Mean±S.D.) (n=27), 最大主席卵胞径は21.2±1.9mm (n=26) で, LHカラー (+2) 日を尿中LHサージ日と判定することが妥当と思われた. 2) NMP法, BBT法, LH法より求めた内膜診実施日と組織学的日付診日との相関をみると, 子宮内膜腺における相関係数(r)は, 各々r=0.685, r=0.728, r=0.879, 間質については各々r=0.620, r=0.737, r=0.833であり, LH法の場合最も高い相関係数を示した. また, これら3法による診断内容をみると, LH法に比べNMP法やBBT法の場合異常内膜の過剰診断をする危険が示唆された. 3) 高速カラー画像解析装置SP-500 (オリンパス社) を用いた子宮内膜の morphometric analysis により, 腺については腺細胞長径, 核下・核上空胞の割合, 間質については細胞分裂個数, 前脱落膜様反応の程度,螺旋動脈数よりステップワイズ重回帰分析を用いて日付診断を行うと, 重回帰相関係数(R)はR=0.959となり正確かつ客観的な診断が可能であることが示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-12-01
著者
-
中里 洋一
群馬大学第一病理
-
五十嵐 正雄
群馬大学医学都産科婦人科学教室
-
伊吹 令人
群馬大学医学部産婦人科
-
安藤 一道
the Japanese r-hFSH Ovulation Induction Study Group
-
中里 洋一
群馬大学医学部病態病理学
-
中里 洋一
群馬大学 第1病理
-
中里 洋一
群馬大学医学部第1病理
-
安藤 一道
群馬大学周産母子センター
-
安藤 一道
群馬大学医学部附属病院周産母子センター
-
安藤 一道
館林厚生病院 産婦人科
-
水沼 英樹
群馬大学医学部産科婦人科教室
-
山田 清彦
群馬大学医学部産科婦人科学教室
-
中里 洋一
群馬大病理1
-
五十嵐 正雄
群馬大学医学部産科婦人科学教室
-
山田 清彦
群馬大学医学部産科婦人科
-
中里 洋一
群馬大学医学部病理学
-
中里 洋一
群馬大学医学部附属病院病理部
-
中里 洋一
群馬大学医学系研究科 病態病理学
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