イネの出穂期に関与する量的形質遺伝子座Hd4およびHd5の連鎖解析と特徴づけ
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概要
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日本型イネ品種「日本晴」を繰り返し親としたインド型品種「kasalath」との戻し交雑後代を利用して,出穂期に関与する量的形質遺伝子座Hd4およびHd5の連鎖解析を行った.Hd4は第7染色体のRFLPマーカーR46およびC39の間に,Hd5は第8染色体のC166とR902の間にそれぞれ単〓遺伝子座として位置づけられた.さらにHd4およびHd5を含むKsalathの染色体領域を日本晴のゲノムに置換した準同質遺伝子系統NIL(Hd4)およびNIL(Hd5)を,戻し交雑後代からマーカー支援による選抜で作出した.NIL(Hd4)およびNIL(Hd5)の到穂日数は,長日条件(14時間明)あるいはつくば市の圃場栽培では日本晴に比較して増加したが,短日条件(10時間明)では日本晴とほぼ同じであった.NIL(Hd4)およびNIL(Hd5)と感光性遺伝子Hd1およびHd2の準同質遺伝子系統NIL(Hd1)およびNIL(Hd2)との交配によって得られたF_2集団の解析により遺伝子間相互作用の有無を調べた.Hd4の晩生化作用はHd1およびHd2の形質発現に対して,相加的であり,Hd4とHd1およびHd2の間には相互作用は認められなかった.Hd5とHd2の間にも相互作用は認められず,遺伝子作用は相加的であることが判明したが,Hd5とHd1の間には相互作用が認められ,Hd5はHd1遺伝子の上流あるいは下流の経路において作用する可能性が示唆された.以上の結果を基にHd4およびHd5の生物的機能を推定した.
- 日本育種学会の論文
- 2003-03-01
著者
-
佐々木 卓治
農業生物資源研究所
-
佐々木 卓治
農業生物資源研究所 ゲノム構造研究室
-
矢野 昌裕
農業生物資源研究所
-
佐々木 卓治
独立行政法人 農業生物資源研究所・植物生命科学研究所
-
矢野 昌裕
農生研
-
矢野 昌裕
農林水産省農業生物資源研究所
-
林 鴻宣
生物系特定産業技術研究推進機構
-
梁 正偉
生物系特定産業技術研究推進機構
-
佐々木 朋子
農林水産省 農業研究センター
-
佐々木 卓治
名大・農・食品物化
-
Sasaki T
Nias
-
Sasaki Takuji
Department Of Molecular Genetics National Institute Of Agrobiological Sciences
-
Sasaki Takuji
Department Of Food Science And Technology School Of Agriculture Nagoya University
-
Sasaki T
Laboratory Of Physical Chemistry Department Of Food Science And Technology School Of Agriculture Nag
-
矢野 昌裕
農業生物資源研
-
Sasaki Takuji
Institute Of The Society For Techno-innovation Of Agriculture Forestry And Fisheries
-
佐々木 卓治
National Institute Of Agrobiological Sciences
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