インド型イネ品種南京11号より誘発された難脱粒性突然変異系統の遺伝子分析
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概要
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インド型イネ品種南京11号より誘発した突然変異5系統の離脱粒性は,突然変異系統と南京11号とのF_2およびF_3雑種集団における脱粒性程度の分離調査の結果より,いずれも単一の劣性遺伝子により支配されていることが明らかになった。また南京11号と突然変系統とのF_1の脱粒性程度および離層形成程度は,いずれも両親の中間になることから,原品種南京11号の脱粒性遺伝子は不完全優性であると考えられた。また突然変異5系統の相互交配20組合せのF_2集団を用いた対立性検定の結果から,これら5種の離脱粒性突然変異遺伝子は異なる3個の遺伝子座に座乗することが明らかになった。この遺伝子座による分類結果は,脱粒性程度および離層形成程度による結果と一致した(福田ら1994)。すなわち脱粒性極難で全く離層形成が認められないSR-1,脱粒性難で不完全な離層形成が認められるSR-4,SR-5(北陸143号),SR-6の3系統,脱粒性やや難でSR-5同様不完全な離層形成しか認められないSR-2の3グループである。以上の結果から,突然変異5系統の離脱粒性は,いずれも離層形成に関わる遺伝子の発現によると考えられた。また3種の遺伝子座に突然変異遺伝子が分類されたことから,原品種南京11号については,少なくとも3個の不完全優性の脱粒性遺伝子が存在すると推定された。
- 日本育種学会の論文
- 1994-09-01
著者
-
福田 善通
北陸農業試験場
-
小林 陽
国際農林水産業業研究センター
-
矢野 昌裕
農業生物資源研究所
-
矢野 昌裕
農林水産省農業生物資源研究所
-
福田 善通
農水省北陸農業試験場
-
小林 陽
国際農林水産業研究センター
-
矢野 昌裕
農業生物資源研
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