イネの出穂期に関与する量的形質遺伝子座Hd9の検出と特徴づけ
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概要
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日本型イネ品種「日本晴」を繰り返し親としたインド型品種「Kasalath」との戻し交雑後代BC_4F_2世代を利用して,出穂期に関与する新規な量的形質遺伝子座Hd9を検出した.RFLPマーカーによる連鎖解析により,Hd9は単一遺伝子座として第3染色体短腕上に位置づけられた.すなわちBC_4F_2個体から由来するBC_4F_3系統の後代検定により,Hd9はRFLPマーカーS12021と共分離することが判明した.さらにHd9を含むKasalathの染色体領域を日本晴のゲノムに置換した準同質遺伝子系統NIL(Hd9)を,戻し交雑後代からマーカー支援による選抜で作出した.NIL(Hd9)の到穂日数は長日条件あるいはつくば市の圃場栽培では日本晴に比較して増加したが,短日条件では日本晴とほぼ同じであった.NIL(Hd1)およびNIL(Hd2)とNIL(Hd9)との交配によって得られたF_2集団の解析により,Hd9の晩生化作用はHd1およびHd2の形質発現に対して相加的であることが判明した.この結果はこれらの遺伝子の発現には相互作用が存在しないことを示唆する.以上の結果を基に,Hd9の生物的機能を推定した.
- 日本育種学会の論文
- 2002-03-01
著者
-
佐々木 卓治
農業生物資源研究所
-
矢野 昌裕
農業生物資源研究所
-
矢野 昌裕
農生研
-
矢野 昌裕
農林水産省農業生物資源研究所
-
林 鴻宣
生物系特定産業技術研究推進機構
-
芦苅 基行
生物系特定産業技術研究推進機構
-
山内 歌子
農林水産先端技術研究所
-
山内 歌子
農生研
-
佐々木 卓治
名大・農・食品物化
-
芦苅 基行
名大院生農
-
矢野 昌裕
農業生物資源研
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