Nicotiana repanda WILLD. と N.tabacum L. の種間交雑における雑種致死の克服

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N.repanda と N.tabacum の交雑では,胚珠培養によって雑種幼植物が得られるが,それらは雑種致死を示し,すべて幼植物期に枯死することが知られている.本研究では,放射線照射花粉を受粉して不完全な雄性ゲノムを雑種植物に導入する方法と,交雑胚珠の培養を組合せることによって,上述の種間交雑における雑種致死を克服しうるか否かを検討した. γ線を照射した(0〜40kR)N.tabacum(品種Hicks2号)の花粉をN.repandaに受粉し 4〜6日後に交雑胚珠を胚珠培養に移した.培養30日後に多くの発芽個体が得られた(Table1)が,大部分の個体は4〜6葉'期に枯死した.一部の幼植.物は,根の生長を促がすために低濃度のオーキシンを加)之一た培地へ移植したところ,長期にわたって生存した(Table2).しかし,それらを植木鉢に移植したところ,再'び大部分が枯死した.わずかではあるが,20kR区の2個体が旺盛に生長し開花するにいたった.それらは,そ加、ぞ'れ46本,47本の染色体を持つ異数体であった(両親はともに物=24).草姿,葉形,花形などについては両親のほぼ中問的特性を示し,花弁に淡い桃色が認められるなど2個体とも両親の雑種であることが確認できた(Fig.1)、従って,放射線照射花粉の受粉と胚珠培養を組合せることによって,雑種致死を起こす交雑組合せにおいても,雑種植物が得られる可能性を示すことができた.
日本育種学会の論文
1985-03-01

Nicotiana repanda WILLD. と N.tabacum L. の種間交雑における雑種致死の克服

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