イネの出穂期の遺伝に関する研究 : I. 放射線によつて誘発された出穂期に関する突然変異系統の特性

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
著者らは,突然変異系統を利用して,イネの出穂期に関する遺伝現象を,従来とは異なつた角度から検討しようと考え,5品種14系統の出穂期に関する突然変異系統について,主として出穂期に関する諸特性を調査した。得られた結果は次の如くであつた。1)晩生化,または早生化は主としていわゆる感光性程度の変化に,若干の場合にはいわゆる基本栄養生長性程度の変化にも起因しているもののように考えられた。2)黄緑色極早生系統3系統は,いづれも感光性を喪失しているもののように考えられた。また,これらの系統はいづれも葉緑素含量が原品種に比し,著しく少く,はなはだしい不稔をともなうことが分かつた。3)突然変異系統の雑感の系統は出穂期以外の特性,たとえば稔性,草型などにも変化が認められた。4)これらの突然変異系統は,イネの出穂期の遺伝,とくに感光性の遺伝を検討する上で,甚だ興味ある材料と考えられた。
日本育種学会の論文
1960-10-20

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク