待ち行列問題の連続モデルを利用する近似解法
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概要
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待ち行列問題に対し、理論と応用のギャップを埋めるため、いくつかの近似手法が発表されている。ラッシュアワー問題など、長い待ち行列を有するシステムに対し、連続モデルを利用する方法がすでに試みられている。こゝでは必ずしも長い待ち行列を有しないいくつかの典型的な問題に対し、連続モデルを利用する手法を提案し、厳密解と近似解の比較よりその有効さを示した。まづ、単一窓口待ち行列問題を扱っている。到着率をλその分散を△iとし、サービス率をμその分散を△_0とするとき、入力を平均入分散△iの正規確率過程と考え、出力を平均μ分散△_0の正規確率過程と考える。次に系内客数Xの確率密度関数f(X)に関する拡散方程式を立て、指数型の解を得る。系内平均客数Lの近似式はf(x)の平均で与えられることは知られているが、これは待ち行列が充分長くシステムが殆んど空にならないことが前提となっている。一方、厳密解の特性としてL=ρ≡λ/μ(ρ<<1)が知られている。そこで近似式に補正項を加え前記の特性を持たせた。すなわち[numerical formula]なる式を提案している。M/G/1(∞)の場合、近似式はヒンチン・ポラチェックの式と一致している。他の数値例としてE_2/E_2/1(∞)およびE_<10>/M/1(∞)を扱っている。単一窓口で系内客数に制限mが課せられているとき、系内平均客数はL≒∫^m_0 xf(x)dxで与えられる。この場合も厳郁解の特性L=ρ(ρ≪1)およびL=m(ρ≫1)をもつように、適当な補正項の追加と積分の上限mの変更を行っている。複数窓口を有する待ち行列問題に対しては、上記のような厳密解の特性を利用することができないので次の手法を用いた。入力として平均μ分散△iの正規確率過程を考え、出力として、系内客数Xが窓口数sより小のとき、平均xμ分散x△_0なる正規確率過程を考える。このときの拡散方程式の解をf_1(x)とする。xがsより大なるとき、出力は平均sμ分散s△_0となり、拡散方程式の解をf_2(x)とする。解f_1(x)とf_2(x)はx=sで連続的に接続させ、これを用い待ち行列の長さL_qは、[numerical formula]と計算される。数値計算例としては、M/M/S(∞)、M/D/S(∞)、D/M/S(∞)およびE2/E2/S(∞)を扱った。また、この方法は単一窓口(S=1)の場合にも有効なことを示した。
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文
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