味噌汁の粒度分布に及ぼす味噌のとき方の影響

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粒度分布の異なる粒味噌および3種類のこし味噌を選んで、汁の粒度分布に及ぼす味噌のとき方の影響を調べた。金網(内径10.5cm、深さ8cm、目開き1×1mm)により粒味噌を味噌こしすると金網に残った残渣の量は多く、0.149mm以上の粒子の重量は顕著に減少した。粒味噌と比較的近似した粒度分布をもつ赤系・辛口・こし味噌Aもほぼ似た挙動を示した。より粒度の細かい赤出しおよび淡色・辛口・こし味噌Cでは上述の変化は比較的少なかった。熱水・味噌こし処理によって全水不溶性物質量は減少し、さらに3分間沸とうさせることにより、減少した。金網に残った組織片の47〜68%は大豆種皮で、残りは米および大豆粒であった。得られた汁のうちでは、ミキサー処理による汁が最も粒度が細かかった。2種類の赤系・辛口味噌の味噌こし後の汁の粒度分布は、淡口・辛口・こし味噌のそれに近似した。金網によるこし操作により、汁の塩からさ、味の濃さを減少させ、うまさ、なめらかさを増加させるという官能的効果が認められたのは、2種類の赤系・辛口味噌では、大きな粒子とくに大豆種皮の除去および細粒化、赤出しでは粒子の分散性の向上によるものと考えられた。一方、官能的効果の認められなかった淡口・辛口・こし味噌では上述の3つの要因がいずれも小さいためと考えられた。
日本調理科学会の論文
1987-11-20

味噌汁の粒度分布に及ぼす味噌のとき方の影響

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