セルロース生産性酢酸菌を特徴づける表現形質

概要

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新たに分離したセルロース生産性酢酸菌21菌株に、基準株を含むAcetobacter xylinumの保存株7株(全てセルロース生産性菌株)を加えた28菌株の表現型を試験した。28菌株は全てが、グラム陰性、鞭毛を持たず、非運動性の桿菌、pH3.5、30℃でよく生育、キノン系はQ-10であった。さらに28菌株全てはグルコースから酸を生成し、D-マンニトール、D-ダルシトール、L-アラビトール、マルトースからは酸を生成しなかった。IFO3144はごく僅かではあったが、28菌株全てがセルロース様物質を生成した。以上により、新たに分離した21菌株は表現型を見る限り、A.xylinumと同じ分類学的位置にある。A.xylinumの基準株と分離株sukon Fはグリセロールからジハイドロキシアセトンを生成しなかった。その上、A. xylinumの基準株のみはエタノールから酸を生成せず、乳酸も酢酸も酸化できなかった。その観点ではA. xylinumの基準株は特異な存在である。なお、分離菌株2319のみはリビトールとキシリトールから酸を生成し、その上、殆どの糖アルコールから旺盛にセルロース様物質を生成した事で注目された。なお、28株のセルロース生産菌はスクロースからの酸生成の有無で二分された。
神戸大学の論文
1998-01-30