ミズガヤツリ精油成分の地理的変異
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本各地域から採取した40系統のミズガヤツリ塊茎の精油成分について分析し,精油組成の差異からその変異状態を化学分類学的に考察した。(1)ミズガヤツリ塊茎の精油成分として鎖状セスキテルペンのファルネソール,ファルネス酸メチル,ファルネシルアセタートおよびdimethyl-3,7,11-trimethyl trams-2, trans-6, trans-10, dodecatriendioate(DTD)と環状セスキテンペンのβ-エレメン、カリオフィレンおよびβ-セリネンの7成分が同定された。(2)ミズガヤツリ塊茎精油成分の主要成分の含有率は採取地によって異なり,その成分組成の差異からミズガヤツリを次の5タイプに分類した。Ddタイプ:DTDのみを主要成分とするものDfタイプ:DTDを含みその他にファルネソールやファルネス酸メチルなどの鎖状テルペンを主要成分として含むものDcタイブ:DTDを含みその他にβ-エレメン,カリオフィレン,β-セリネンなどの環状セスキテルベンを主要成分として含むものCタイプ:DTDを含まず,ファルネソールなどの鎖状テルペンの他にβ-エレメン,カリオフィレン,β-セリネンなどの環状テルペンを主要成分とするものF : DTDを含まず,ファルネソール,ファルネス酸メチルなどの鎖状テルペンを主要成分とするもの(3)各系統の精油組成は6ヶ月間同一条件下で栽培して形成された塊茎を供試して分析した場合でも変化はなく,精油の生合成経路は比較的安定した形で保持されていることが認められた。(4)ミズガヤツリ各タイプの地理的分布には地域的特性は,DcやCタイプが京都,奈良,三重に集中的に存在した事以外にはほとんど認められなかった。(5)精油組成の差異から分類された5タイプのミズガヤツリは種子重や塊茎重にも差異が存在した。
- 近畿大学の論文
- 1979-03-15
著者
関連論文
- アントラキノン類の抗変異原性
- ハマスゲ塊茎から単離したセスキテルベンケトアルコール,cyperoloneの植物生長阻害作用
- アレルギー性疾患に用いられる植物性生薬の科別分類による薬効・薬理
- A105 エンバクを用いるキスジノミハムシの耕種的防除法に関わる化学物質
- ベチバ-精油中に含有されるゴキブリに対する忌避活性物質
- クロマトグラフィー用活性アルミナ上におけるテルペンアルコールのエステル交換反応
- タネツケバナに含まれる植食性昆虫・室内塵性ダニ類に対する揮発性殺虫成分
- A304 マンゴスチンGarcinia mangostana果皮由来のヤマトシロアリに対する摂食阻害物質
- ヌードマウス自己赤血球ロゼット形成脾細胞の検索と免疫調節剤の影響
- 97. エゴマの他感作用について
- B215 汚泥コンポストより分離した糸状菌の植物生長促進活性と抗菌活性物質
- Pseudomonas solanacearumに対するインドールおよびその関連化合物の抗細菌活性 : (第5報)トマト葉中における3-インドールプロピオン酸の主要代謝物の同定
- C219 ハマスゲ由来セスキテルペンケトン酸化誘導体のHPPD阻害活性
- A303 オーロン類の合成とハスモンヨトウ幼虫に対する摂食阻害活性
- 南洋材レサクに含まれるヤマトシロアリReticulitermes speratu (Kolbe)に対する摂食阻害物質
- ハマスゲ由来のセスキテルペン類の生理活性
- 37 ハマスゲ由来のセスキテルペン類の生理活性
- ハマスゲ由来のセスキテルペン類の生理活性
- 97 ハマスゲ由来のセスキテルベン類の生理活性
- 124 ハンカチの木に含まれる植物生長抑制物質
- ハンカチの木に含まれる植物生長抑制物質
- 42 植物生理活性モデル化合物としてのセスキテルペンケトンがもつ黄化作用について
- 植物生理活性モデル化合物としてのセスキテルペンケトンがもつ黄化作用について
- ハマスゲの茎葉部切除に伴う再生と炭水化物の消長
- ハマスゲ精油成分の抗微生物活性について
- 多年生雑草ハマスゲに含まれる二次代謝成分と植物生長抑制作用
- ハマスゲ塊茎精油成分の地理的差異
- ハマスゲ塊茎の発芽におけるポリフェノール成分の役割
- ハマスゲにおけるポリフェノール成分の性質と発芽初期生育時の変動
- クログワイ,ミズガヤツリおよびハマスゲ塊茎のポリフェノール成分について
- タイ国産植物抽出物中のハスモンヨトウ幼虫とヤマトシロアリに対する摂食阻害活性物質
- ヤイトバナから単離したイリドイド配糖体とその生物活性
- ヤエムグラ種子中の植物生長抑制物質とそれらの他感作用
- 34 イリドイド配糖体Aucubinの生理活性
- 56 p-ヒドロキシピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤として作用する天然化合物(3-(2)作用機構、選択性機構)(3. 除草剤(植物生理活性物質を含む))
- 62 カヤツリグサ属植物における色素生産性と化学的防御物質としての働き
- 80 ハハコグサが生産するフラボノイドの昆虫摂食阻害活性
- ハハコグサが生産するフラボノイドの昆虫摂食阻害活性
- 86 昆虫摂食阻害活性を有する野生植物の探索(第二報)
- 昆虫摂食阻害活性を有する野生植物の検索(第二報)
- A119 Cyperus 属由来の昆虫摂食阻害活性を有する天然化合物の生理活性
- 123 タイ国産カヤツリグサ属植物由来の昆虫摂食阻害物質
- 122 昆虫摂食阻害活性を有する野生植物の検索
- タイ国産カヤツリグサ属植物由来の昆虫摂食阻害物質
- ハマスゲ塊茎から単離したSugetriol triacetateおよびその誘導体の植物生理活性
- 61. 多年生雑草ハマスゲの種内変異と薬剤耐性
- 86. 南九州および南西諸島に分布するハマスゲの種内変異とその様相
- オオイヌノフグリから単離したイリドイド配糖体とその生物活性
- イリドイド配糖体類の植物生長抑制作用
- 35 ヤエムグラから単離したイリドイド配糖体の多糖化とその生理活性
- 98. イリドイド配糖体類の植物生理活性
- 昆虫摂食阻害活性を有する野生植物の検索
- カヤツリグサ属植物における雑食性昆虫の摂食障害
- 38 カヤツリグサ属植物における雑食性昆虫の摂食阻害
- カヤツリグサ属植物の揮発性成分とイツトガの食草選択性
- 98 カヤツリグサ属植物の揮発性成分とイツトガの食草選択性
- 47 ハマスゲ由来環状セスキテルペン類のレタス幼根長に及ぼす影響
- 1 ハマスゲより単離したスゲトリオール及びその誘導体の生理活性
- Cyperus bulbosus, Cyperus tuberosusおよびCyperus rotundusのセスキテルペノイド
- ハマスゲ塊茎のセスキテルペンの単離, 同定および植物生理活性
- セファデツクスによる食用色素の分離分析法について
- ミズガヤツリ精油成分の地理的変異
- ハロゲン化アルキル系化合物によるジャガイモ塊茎の褐変現象とrishitin誘導
- 殺線虫剤によるジャガイモ塊茎の褐変に関する研究(第3報) : DBCP剤の処理により形成される褐変色素について
- 63 イツトガにより食入されるカヤツリグサ属植物とその誘引物質
- 62 ヨモギの他感作用物質
- 71 ヤエムグラ種子中の生長抑制物質とその他感作用
- 31 ハマスゲ精油から単離したセスキテルペンケトアルコールの生理活性
- 87. エステラーゼアイソザイム分析によるハマスゲの種内変異
- 55 ヤエムグラ植物体の水抽出画分中に存在する2, 3の生長抑制成分
- 54 ヤエムグラ植物体より単離した有機酸とその植物生理活性
- 53 タイ産ハマスゲ塊茎中に存在する植物調節物質について
- 52 フィリピン産ハマスゲの精油組成とその2, 3の生態的特性
- α-アミラーゼの生合成誘導におよぼすステビオシドおよびその関連化合物の影響
- ハマゴウの精油成分
- 61 シロザおよびアリタソウの他感作用
- カヤツリグサ科雑草二次代謝成分の化学生態学的研究
- カヤツリグサ科雑草二次代謝成分の化学生態学的研究
- ベンチャー企業の成功要因について : 研究者の支援
- ステビオシドの酸加水分解と二波長クロマトスキャナーによる総ステビオシドの定量
- ベンチャー企業の成功要因について (Part 2)
- イネおよびレタス幼苗の生長におよぼすステビオシドとその関連化合物の影響
- ヤエムグラ種子中の植物生長抑制物質
- 29 ハマスゲの形態と精油組成の地理的変異について
- 28 ヤエムグラ種子の発芽抑制物質と2, 3の特性について
- コゴメガヤツリの精油成分
- シチトウの精油成分
- 中共産シトロネラ油の精油成分について
- 研究室紹介
- アロエ植物の抗突然変異原
- 殺線虫剤DBCPによるジャガイモ塊茎絡織でのrishitin形成および蓄積の誘導
- 殺線虫剤DBCPによるジャガイモ塊茎褐変の産地間差異
- 殺線虫剤によるジャガイモの褐変現象に関する研究(第1報) : 褐変機構について
- エゴマの他感作用について〔英文〕
- ローズマリー葉に含有される抗変異原性物質
- イガガヤツリ,アゼガヤツリおよびタマガヤツリの精油成分
- ヤエムグラから単離した有機酸とその生理活性
- 新農薬の研究と化学生態学
- 33 第9回アジア太平洋雑草学会会議に出席して
- 第9回アジア太平洋雑草学会会議(APWSS)に出席して