ヤエムグラ種子中の植物生長抑制物質とそれらの他感作用

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ヤエムグラ種子よりasperulosideの関連化合物と考えられるイリドイド配織体2成分を単離、同定し、それらの生理活性ならびに他感作用について検討した。化学分析の結果、成分Aはasperulosideのラクトン環の開裂によって生成するasperulosidic acid、成分Bはasperulosidic acidの脱アセチル化によって生成するdeacetyl asperulosidic acidと同定した(Fig. 1, Table 1,2)。 Asperulosidic acidはasperulosideと同様メヒシバやアルファルファの幼根長の伸長を400ppmで強く阻害するが、ホワイトグロ二バやヤエムグラに対しては抑制活性を示さなかった。Asperulosidic acidはasperu1oside同様300~400ppmでヤエムグラ種子の発芽に対して挽制活性を示すが、deacetyl asperulosidic acidはasperulosideに比較して生長抑制活性は低かった(Fig.2)。ヤエムグラ種子とレタス種子を同一湿潤炉紙上に交互に置床するとレタス種子の発芽及びレタス幼苗の胚軸、幼根の偉長に抑制活性が認められた。しかし1年以上貯蔵したヤエムグラ種子では挽制の程度は低下した。このような抑制活性はヤエムグラ種子を水に浸漬して得た浸出液を用いたレタス幼苗テストでも認められた(Table 3,4)。ヤエムグラ浸出液を分析するとasperuloside, asperulosidic acid及びdeacetyl asperulosidic acidが検出される。これら3成分は種皮のみに局在し、胚乳及び胚芽部には検出されたかった(Table 5)。これらイリドイド3成分は3年間室温で貯蔵したヤエムグラ種子中にも認められ、長期間組織中で安定して存在していることが示唆された(Fig.3)。しかしこれらイリドイド配糖体を含む1年聞乾燥貯蔵した種子は、発芽適温の10℃前後で揃一な発芽を示すことより、ヤエムグラ種子の休眠にこれら配糖体が直接関与しているとは考えられないが,ヤエムグラ種子による他感作用は,asperulosideを主成分としたイリドイド配糖体が主在原因物質であると推察される。
1986-12-25

ヤエムグラ種子中の植物生長抑制物質とそれらの他感作用

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