メヒシバ幼植物及び成植物の作物に対するアレロバシー能の検定

概要

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メヒシパの畑作物に対するアレロバシー能を、メヒシバの幼植物期及び成熟期において、競合の影響をできるだけ排除した条件下で両者を共存させて検定した。1)幼植物期の影響については、燭土壌を入れた細長いプラスチックの育成箱(16cm×50cm×11cm)の半分にメヒシバと作物1種を各々5列ずつ、10列が等間隔になるように播種し、養水分の十分な供給下で生育させて調査した。すなわち、両者が隣接する中央列での生長と、それぞれの種内の影響のみを受けている中央より4列目での生長を比較することによってアレロパシー作用を検定した。その結果ダイズ、レタス、ダイコン、キウリ、トウモロコシのいずれに対しても、メヒシバによる生長抑制はみられなかった。又、これらの作物の隣接によるメヒシパの生長抑制も認められず、ダイズ及びレタスはむしろメヒシバの生長を促進させた(以上Table 1)。 2)成熟期メヒシバのアレ日バシー作用を検定するため、野外に設置したコンクリート枠内土壌(90cm×90cm)の片側にメヒシパを植え、茎葉が逸脱しないようにして成熟期まで栽培した。この栽培法により、枠内の非栽植部分に根群分布量の勾配が生じた(Fig.1)。ここに十分な養水分を与え、又、しゃ光を防くためにメヒシバ地上部を反対側に倒し、ダイコン及びトウモロコシを播種し生育させた。その結果両作物の生育は、メヒシバ栽植部分に近ずくほど、すなわちメヒシバ根群分布が多いところほど強く抑制された。この傾向は特にダイコンで顕著であった(以上Table 2, 3及びFig.2)。 3)土壌のアンモニア態N含量は、概してメヒシバ根群の多い部分において、より高い傾向を示し、硝化作用抑制への関連が推察された。一方、硝酸態N含量は根群の多い部分におけるほど少ない傾向を示した(以上Fig.3)。以上の結果からメヒシバによる作物生育阻害には、根群を介してのアレロパシー作用が関与している可能性が示唆された。
日本雑草学会の論文
1986-08-26

メヒシバ幼植物及び成植物の作物に対するアレロバシー能の検定

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