シバ(Zoysia japonica Steud.)の種子繁殖形質に関する種生態学的研究 : (5)種子の形態形質と発芽性並びに実生の初期生育
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概要
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著者らは前報において,シバの種子繁殖に関連した生理・生態的な性質について,地方系統にみられる変異性を論じた。今回の研究では,種子繁殖特性のうちとくに種子の発芽性及び実生の初期生育との関連において,種子の形態形質をとりあげた。種子形態に関しては,前報の発芽性に基づいて選ばれた56系統の種子を用い,穏実粒(頴果+外被)及び不穏粒(外被のみ)について,それぞれの100粒重を測定し,頴果重及び外被率を求めた。さらに,上記56系統の中から対照的な発芽性群に属する18系統を選び,その穏実粒の軟X-線写真をとり,各系統約30粒について,外被(主として外頴)及び頴果の厚さを直接測定した。これらの測定と併行して,56系統からの種子の発芽率を前報と同じ方法によって求めた。一方,上記56系統中の20系統を用い,各系統約50個体について,制御環境下における実生の生育を約6週間にわたって調査した。この時用いた種子は、前処理によって発芽を同調させた。上述の種子の形態形質はいずれも,発芽性や実生の生育と同様,供試系統開に幅広い変異を示した。発芽性との関連でみると,種子の形態形質のうち外被率が,発芽率との間にr=-0.40(p<0.01)の有意の負の相関を示した。外被の厚さや頴果との比も発芽性の異なる系統群間で有意に異なり,難発芽群の種子は易発芽群に比べて,より厚い外被をもつ傾向がみられた。実生の生育力に関しては,種子の形態形質のうち頴果の重さが,実生の乾重との間にr=0.64(p<0.01)の,かなり高い正の相関を示した。これらの結果を前報のそれと併せて,種生態学的観点から1・2の考察を加えた。
- 岐阜大学の論文
- 1992-12-25
著者
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松村 正幸
岐阜大学農学部付属山地開発研究施設
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松村 正幸
岐阜大学農学部附属山地開発研究施設
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車戸 憲二
岐阜大学農学部附属山地開発研究施設
-
西條 好廸
岐阜大学農学部附属山地開発研究施設
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西條 好廸
岐阜大学農学部
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松村 正幸
岐阜大学農学部
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