食生活診断に関する研究(第5報) : 摂取食品数による評価方法の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
従来,栄養・食品摂取の評価は栄養価の算定および食品群の集計から行われていることが多いが,この方法は煩さである.調査用紙から直接取り上げた食品数の測定方法は栄養・食品摂取状況を推定できるものか否かについて検討した.対象は小学生10才,11才,男女123名.調査項目は学校給食を含む3日間と給食の行われていない土・日曜日の2日間における家庭食をとりあげた.食品数は三訂日本標準成分表にもとづいてかぞえ,延食品数と食品品目数から検討した.栄養素摂取量と食品群別摂散散は個人別に計算し,次の結果を得た. 1 延食品数は1日平均32,食品品目数は16であった.延食品数と栄養素摂取量との相関は各栄養素とも正相関であった. 2 食品品目数と栄養素摂取量との相関はビタミンA以外は正相関であった.家庭食においても食品品目数と各栄養素については正相関を示した.以上のことから食品数が多くなるにつれて栄養素摂取量は増加し,よく対応することを認めた. 3 延食品数と食品群別摂取量との相関では肉類,卵類,野菜類,豆類との間において正相関であった.一方,家庭食では菓子類,肉類,果実類に対して正相関がみられた.延食品数との関係は食品群別摂取量よりも栄養素摂取量の方がより高い傾向にあった. 4 食品品目数と食品群別摂取量との相関では菓子類,豆類,乳類,野菜類の間に正相関であった.家庭食では肉類,卵類に正相関を認めた.したがって,食品品目数との対応からみても延食品数と同傾向にあり,学校給食と家庭食とは必ずしも食品構成が一致していないことを認めた. 5 延食品数と食品品目数との関係は正相関であった.児童の栄養所要量の±10%以内の栄養素が3/4以上ある児童における延食品数の平均は32,食品品目数の平均は16で,この集団の平均値とほぼ一致した.
- 名古屋女子大学の論文
- 1978-03-15
著者
関連論文
- 女子学生の料理レベルからみた : 食事形態と食生活状況との関連
- ひとり暮らし老人の食生活の経年変化
- 食形態による簡易栄養診断法
- 女子大学生の野菜摂取からみた食事状況
- 地域別にみた食品使用頻度の推移
- 日常食における野菜料理の変化
- 食生活診断に関する研究(第4報) : 肥満者に対する栄養指導法の評価
- 集団給食における献立からみた食品摂取のパターンについて
- 矢作川流域における職業別栄養・食品摂取状況
- 女子学生の視点からみた子どもの食育への取り組みに関する日本と台湾の比較
- 近年のわが国における糖尿病死亡と社会・経済・文化的指標との関連
- 中国吉林省延辺朝鮮族自治州の朝鮮族の食生活 : 延吉市内朝鮮族と漢族の食事状況
- 在宅高齢者の食生活状況からみた食事形態の評価
- 家計における消費支出指標と平均余命の都道府県別動向
- 中国貴州省西南部の苗(ミャオ)族と布依(プイ)族の食文化(第11報) : 台所用具
- 中国貴州省西南部の苗(ミャオ)族と布依(プイ)族の食文化(第10報) : 台所空間
- 中国貴州省西南部の苗(ミャオ)族と布依(プイ)族の食文化(第5報) : 体重・身長
- 中国貴州省西南部の苗(ミャオ)族と布依(プイ)族の食文化(第4報) : 日常の食事状況
- ひとり暮らし老人の食品摂取パターンからみた食生活状況
- 独居老人の食生活の実態
- 多変量解析法による食形態からみた食事構造の検討
- 幼児の身体発育に影響を及ぼす要因の研究
- 山村における循環器系疾患の予防に関する研究(第2報) : 食生活意識について
- 母乳栄養児の縦断的観察
- 食生活診断に関する研究 : 主婦の栄養に対する意識・知識と栄養摂取状況について
- 飛騨川流域地方における食生活調査(第VII報) : 穀物料理を中心として
- 飛騨川流域地方における食生活調査(第VI報) : 食品摂取頻度からみた食生活の状況
- 飛騨川流域地方における食生活調査(第V報) : 食生活をとりまく諸条件について
- 飛騨川流域地方における食生活調査(第IV報) : すしの食物文化史的研究
- 飛騨川流域地方における食生活調査(第III報) : 「ほう葉」の利用とその推移
- 幼児の身体発育に影響をおよぼす食生活要因の研究 : 幼児の体位からみた縦断的検討
- 循環器系疾患の治療効果に影響を及ぼす食事因子の研究(第3報) : 継続指導群と非継続指導群の比較
- 飛騨川流域地方における食生活調査(第II報) : 「ほう葉」の利用状況とその推移
- 飛騨川流域地方における食生活調査(第1報) : 「ほう葉」との関連について
- 0103 戦時下における名古屋市民の食生活について
- 戦時下における名古屋市民の食生活について : 要望課題1 衛生関連学史 : 衛生関連学史
- 食生活診断に関する研究(第6報) : 摂取食品数の集計方法について
- 循環器系疾患の治療効果に影響を及ぼす食事因子の症例的研究(第2報) : 肥満を伴わない場合について
- 食生活診断に関する研究(第5報) : 摂取食品数による評価方法の検討
- 循環器系疾患の治療効果に影響を及ぼす食事因子の症例的研究
- 食生活診断に関する研究(第3報) : 肥満者のエネルギー摂取量についての簡易判定法の検討
- 児童の食生活に関する研究 : 栄養状態判定法としてのUpper Arm Muscle Diameterの検討
- 食生活診断に関する研究(2報) : 栄養・食品摂取からみた食材料費の消費構造について
- 乳幼児の栄養指導に関する研究
- 児童の食物摂取構造の検討
- 集団給食におけるイメージ調査
- 健常大学生における豆乳・納豆のセカンドミール血糖上昇抑制効果
- 離乳期における食品の摂取開始時期ならびに摂取食品の種類と育児環境の関係について