三世代にわたる生活文化の伝承と将来への展望(1) : 食生活と衣生活について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2000年1月に,本学学生を第三世代,その母親を第二世代,祖母を第一世代として,三世代にわたる生活文化の伝承の実態を把握することを目的にアンケート調査を行った。研究資料は,本学の女子学生307名と,その母親213名,祖母196名,合計716名から得られたアンケート調査の回答である。質問項目は,「食」分野28項目,「衣」分野18項目,「住まいと住み方」分野16項目,「暮らしの中の植物」の分野19項目,「家族関係や生活経営」の分野12項目,対象者の属性7項目の合計100項目である。本報では,5分野の中の「衣」と「食」に関わる生活文化を中心に検討した。主な結果は以下の通りである。1)第一世代(祖母),第二世代(母親)共に調理の簡便化,外部化が進んでいるものの,両世代間で食生活に大きな差は見られなかった。第三世代(学生)においては嗜好性が優先されていた。2)「おふくろの味」として三世代共に煮物が第一位であった。家庭料理が中心の豊かな食生活であった第二世代が,現在における食文化の伝承の役割を担っていると考えられる。3)衣生活に関する項目は三世代間の独立性の検定により,三分類することができた。すなわち,(1)は生活技術や文化が学生世代で途切れる恐れがある項目,(2)はすでに母親世代で生活文化が伝承されなくなってしまっている項目,(3)は三世代とも差があり,世代間の変化が大きい項目である。4)将来への衣文化の継承が,小・中・高等学校・大学の学校教育の中で可能となる取り組みの試案を示した。
- 和洋女子大学の論文
- 2001-03-31
著者
関連論文
- 被服行動の発達と身体発達との関連
- きみしぐれに関する研究
- つけ爪によるとめ具の開閉について
- 本学学生の食生活等に関する調査
- 本学学生の家庭における汁物の食塩濃度の経年変化
- 即席麺および即席汁物中の食塩
- 障害者の椅座姿勢における上衣着装状態の問題点 : 健常者との比較
- 運針における手指の動きの解析による指導方法への一考察
- ストライプ柄ネクタイとワイシャツの印象について : 若者と親世代の比較を中心に
- 漬け物中の食塩濃度
- 家政系女子短大生と母親の被服製作能力と被服製作の必要姓に関する意識と実態
- 被服行動の年齢変化
- ***の靴の選択行動と足部形態
- 家政系女子短大生における手縫いの技能の実態 : 被服製作の知識と過去の経験との関連性
- 茶浸出液の冷却時に見られるクリームダウンについて
- タイトスカートの丈の違いによる下体部の印象評価
- ブラジャーによる振動抑制効果に関する三次元的考察
- ジーンズに関する若い女性の意識と着装評価 : 体型と着装効果の関連を中心に
- 被服関心・被服行動に関する***と母親の相違と関わり
- フリーマーケットに関する意識と売買の実態
- 七五三の祝着にみた衣生活行動
- 高齢者の被服行動に関する日韓の比較
- 運針における手指の動きの解析による指導方法への一考察
- 三世代にわたる生活文化の伝承と将来への展望(3) : 男子学生と女子学生の比較
- 三世代にわたる生活文化の伝承と将来への展望(4) : 食生活と衣生活における祖母との同居・非同居の関連性
- 4.ポスターセッション(第11回アジア地区家政学会議(ARAHE)台湾大会報告)
- 三世代にわたる生活文化の伝承と将来への展望(1) : 食生活と衣生活について
- 幼児の着脱行動からみた衣服のあきに関する提言
- スリランカの味
- スープストックの性状
- 液状油を用いた洋菓子の性状と食味(1)-シュークリーム-
- インドネシア(ジャワ島)の味
- 調理における茶浸出液の利用-植物性食品について-
- つけ爪によるとめ具の開閉について
- 高齢者のズボンの着用実態