幼児の着脱行動からみた衣服のあきに関する提言
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概要
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本論文は,子どもの着脱の自立を妨げず,むしろ助長するような衣服の構造を研究する立場から,着脱に関する生活習慣の達成の時期や,衣服のあきの位置とそこにつけられる留め具の種類による着脱の達成の時期を明らかにし,着脱しやすい幼児服の条件を提案することを目的とした。1988年10月に着脱に関するアンケート調査を行った。調査対象者は,3歳から6歳の幼児園児・保育園児の合計743名の母親である。幼稚園・保育園別,男女別,年齢別に検討した。主な結果は以下の通りである。(1) 着脱の生活習慣の自立や,留め具の開閉動作の達成の時期については,全般的に保育園児の方が早い。また,男女差では女児の方が早い。(2) 幼児服にとって,あきの位置は重要な要素である。男女児ともに達成時期の早い順は,前(第1ボタンを除く)⟶前(全部)⟶肩⟶袖口⟶背である。しかし,肩あき,背あき,袖口あきでは6歳でも達成していない。従って,幼児服のあきは前につけることが重要である。(3) 留め具については,ボタンが適当であり,オープンファスナーやカギホックは年少児には不適当である。(4) あきの位置と留め具の観点から,年齢別に着脱しやすい衣服の条件を提示した。
- 和洋女子大学の論文
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