液状油を用いた洋菓子の性状と食味(1)-シュークリーム-
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概要
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洋菓子の中でもシュークリームは非常に好まれている菓子の一つである。シューに用いられる材料は家庭で入手しやすいものではあるが,シューの意味であるキャベツ状に形良く膨化しないことが多く,作製には技術的にも経験を要する菓子である。シューの作製には固形脂のバターを多量に用いるが,バターを完全に液状化することがコツの一つであると言われているので,今回は液状のサラダ油,べに花油,落花生油,オリーブ油,極上胡麻油,太白胡麻油を用いてシューの作製を試みた。その結果,いずれの液状油を用いたものもバターと遜色がないシューが作製出来,中でも落花生油はバターよりむしろ良好なものが出来ることが分った。次に油脂量を1/2にしてシューを作製したところバター,サラダ油,極上胡麻油では膨化があまり良くなかったが,落花生油,オリーブ油では基本油脂量のバターと同等の,膨化の良好なシューが出来ることが分った。これらのシューについて官能検査を行ったところ,基本油脂量のバターのものは色・つや,形,食感,味及び総合評価のいずれの項目においても良く好まれ,油脂量を1/2にしたバターのものは普通と評価された。これに対し落花生油,オリーブ油のものはシューのみでは食感,味が好まれなかったが,カスタードクリームを詰めシュークリームとすることで,好まれるものとなった。液状油は色調の結果から焼き色は薄かったが,作製上の操作が簡単であり,シューの膨化も良好で,また油脂量を1/2に減少させることも出来るためカロリー減となり,健康面からもシュークリーム作製の材料して利用する価値のある油脂と考察された。
著者
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