飼料作物の乾燥機に関する研究 (第4報) : 多段たい積方式による麦の乾燥

概要

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麦の高温乾燥は処理能力の向上に著しい成果を上げるが, 熱ロスの発生が大きくなりやすく, 経済的な問題がある。したがって多段たい積, 下層排穀方式の実験機によって熱損失を発生せしめないことを前提とした乾燥実験を行なった。熱風温度は120℃前後とし, 実用的な送風条件を見出すための研究で, その結果は次の通りである。1) 高水分麦を使用し排気湿度を100%にとった場合, 送風空気の熱量は穀粒からの蒸散水分, 穀温の上昇, 乾燥機からの熱損失に使われるが, その比率はほぼ85 : 10 : 5である。2) 風量水分比が大きい時は排気による熱損失が発生[figure]し, 一方小さい時はたい積中・上層部の乾燥停滞や吸湿がある。最適とする風量水分比は初期水分によって異なるが, 高水分丸粒8×(10)^<-3>m^3/sec・kg, 圧砕粒14×(10)^<-3>m^3/sec・kg付近にある。なお初期水分の影響は含水比が低下すると最適風量水分比もやや低くなるが, 圧砕粒はほぼ一定値をとる。3) 2m^2の多段落下型乾燥機に適用した場合, 上記の基準がほぼ適用できるが熱ロスがやや大きくあらわれた。この場合8時間稼動で約2.4トンの麦を処理することができる。