サムスンタバコ植物体内におけるタバコモザイクウイルスの移行
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概要
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1. TMVに全身感染するサムスンタバコ(Nicotiana tabacum L. cv. Samsun)を根付および茎下部で切って茎植物として水栽培し, 1葉にTMVを接種した場合, MM出現の時期および様相は両者間に相違はなく, 根の有無はTMVの移行・増殖にはほとんど影響を与えなかった。2. 同様に水栽培した根付植物と茎植物の1葉にTMVを接種し, 19日後の両植物の各部位におけるTMV濃度を比較した結果, 根付・茎両群の植物に共通して, 接種葉>頂葉部>茎下部>根の順位であり, この実験条件下では根付・茎両植物間におけるTMVの移行・増殖の様相はほぼ同様であった。3. TMVを接種した茎植物を水栽培し, 半数は接種2日後から数回にわたって茎下端を切除し, この切除個体と不切除個体について接種20日後の頂葉部におけるTMV濃度を比較した結果, 両者の頂葉部におけるTMV濃度にはほとんど相違が認められなかった。4. 1葉にTMVを接種した茎植物において, 茎下部からTMVが最初に検出される時期を調べた結果, 接種5∿6日後に検出された個体も認められたが, 大多数は接種7∿8日後であった。なお頂葉部におけるTMV検出可能時期も大体同時期と推定されるが, MM出現はTMV接種12∿19日後であり, この間に数日を要した。5. TMV感染に対しLL⟶TN⟶SNと反応するN. rusticaについての既報の結果と本報におけるMM寄主であるサムスンタバコについて得られた結果とを比較すると, 両者のいずれにおいてもTMVの移行・増殖に対して根の有無も茎下部の連続切除も何ら影響を与えず, TMVの接種葉から茎部への移出の時期, さらに茎の上下双方への移行の様相などについても両者間には相違が認められなかった。
- 神戸大学の論文
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