高温条件下のNicotiana rustica植物体内におけるPeVAおよびTMVの動向(植物防疫学)
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概要
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PeVAとその常温下の局部感染寄主N. rusticaの主に水栽培下の茎植物とを供試し, 高温(30-32℃)条件下においてPeVAが示す感染・移行・増殖の様相を検討した。さらに, 同寄主体内で常温下において全身的に移行・増殖(局部えそ斑→頂端えそ→全身えそ)するTMVの, 上記高温条件下における移行・増殖の様相と比較した。葉身にPeVAを接種した場合は, その葉身上に常温下におけるそれとは異なる退緑黄斑を生じて局在化の傾向を示した。接種葉からのPeVAの移出は容易に行われず, その葉柄, さらに主茎および頂葉部への移行は頻度も少なく, またかなりの長期間を要した。なお接種葉からの移出の時期および全身的移行と接種源ウイルス濃度との間には, 本実験の範囲内では, 関連は認められなかった。葉柄にPeVAを接種した場合は, その葉身部へは比較的早期に容易に移行し, 同時にやや劣る頻度で主茎にも移行した。さらに時間の経過とともに頂葉(またはわき芽)および他の成葉へも移行が認められた。主茎にPeVAを接種した場合は, 初期のある期間接種部位で増殖したのち, 頂茎部から茎下部まで, さらに頂葉部およびその他の成葉に移行し, 他の部位への接種の場合と比較して, より容易に全身的に移行する傾向を示した。PeVAおよびTMVについて, 30-32℃下における両ウイルスの接種葉からの全身的移行の様相を同一条件下で比較した。その結果, PeVAは接種葉においてはえ死を伴わない局在化の傾向を示し, 全身的に移行した場合においても, TMVのそれのような急速かつ広範囲な移行・増殖はできない様相を示した。
- 神戸大学の論文
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