顎顔面再建手術に際し頚部及び胸部硬膜外麻酔を併用した全身麻酔の一症例

概要

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近年, 口腔外科領域の顎顔面即時再建術は, 移植片として患者の腸骨や肋骨, 腹直筋などを用いることが多くなってきている。この手術はかなりの侵襲が伴い, 加えて高齢者が多く, 手術時間が長いことなどから術中の循環動態が変動しやすく, 術後も創部痛などの管理に難儀することが少なくない。今回我々は腹直筋採取が予定された顎顔面再建術症例に頚部及び胸部硬膜外カテーテルを留置し, 全身麻酔に硬膜外麻酔を併用し, 周術期管理を行ったので, 考察を加え報告する。硬膜外カテーテルはC5〜Th1とTh11〜12でそれぞれ2本, 手術前日に挿入した。術中は1%塩酸リドカイン2〜4m1を間欠的に適時投与し, 術後はリドカインに加え0.25%塩酸ブピバカインと塩酸ブプレノルフィンを混ぜたものをカテーテルを通じ持続投与した。安定した術中循環状態が得られ, また術後疼痛管理も良好な結果が得られた。術中, 術後とも合併症・偶発症は見られず, 本法の全身麻酔との併用は有用性が高い麻酔法と考えられた。
東北大学の論文