過去10年間の口腔肩平上皮癌一次症例における臨床的検討

概要

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1989年から1998年までの10年間に東北大学病院顎顔面外科を受診し,病理組織学的に扁平上皮癌と診断された一次症例133例について臨床統計的検討を行ったので,その概要について報告する。対象症例の男女比は1.7:1で平均年齢は62.1歳であった。最も多い発生部位は舌で48.1%であった。WHOの病理組織学的分化度の分類によるとGrade 1(高分化型)が最多で,75症例(56.4%)であった。UICCのTNM分類(2003年)に従って分類すると,T分類ではT1:21.8%,T2:36.8%,T3:16.6%,T4:24.8%であり,臨床的に頚部リンパ節が陽性と判断した症例は47.8%,遠隔転移を認めた症例はわずかに1例で肺転移であった。Stage分類では,Stage I:19.5%,Stage II:24.1%,Stage III:24.8%,Stage IV:31.6%でStageが上がるごとに症例数も増加しておりStage IVが最多であった。治療法の内訳としては110症例(82.7%)が手術療法を受けており,化学療法・放射線療法・手術療法の3者併用療法は44症例(33.1%)で施行されていた。Kaplan-Meier法による5年累積生存率は全症例で66.4%であり,手術療法が施行された症例では72.9%であった。
東北大学の論文
2006-06-30