上下顎同時骨切り術を適用した骨格型下顎前突症の術後評価 : 咀嚼筋筋電図による検討

概要

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骨格型下顎前突症者の顎矯正外科手術として上下顎同時骨切り術を適用した時の術後評価について, 咀嚼筋の活動性の変化を筋電図を用いて検討した。被験者は著しい開咬や顔面非対称をともなわない重度の骨格型下顎前突症者12名であった。上顎ではLe Fort I型骨切り術, 下顎では下顎枝矢状分割術または下顎枝垂直骨切り術が行われていた。筋電図はチューインガム咀嚼運動時に, 両側側頭筋前部, 咬筋中央部に表面電極を貼付し双極誘導で記録した。記録時期は初診時と手術後1年以上を経過した時とした。分析は咀嚼のリズム性の変化について, 咀嚼側側頭筋より導出した筋電図の放電持続時間, 放電間隔, 周期, そして, それぞれの標準偏差の変化を検討した。また, 両側側頭筋, 咬筋の筋活動量の変化を放電の積分値を求めることで検討した。その結果, 術後では放電持続時間, 放電間隔, 周期における, それぞれの標準偏差の減少を示し, 術前に不規則であった咀嚼運動が術後にリズミカルに行われていることが示唆された。また, 両側側頭筋, 咬筋の筋活動量は術後に増大した。
東北大学の論文
1990-07-10