最近8年間の非ホジキン悪性リンパ腫(NHL)14例について

概要

論文の詳細を見る
悪性リンパ腫は, リンパ球性細胞ないしは細網内皮系細胞に由来する腫瘍で, 全身各所のリンパ節, リンパ性組織の存在する部位より生じるとされている。今回私達は, 昭和50年11月から昭和58年10月までの8年間に病理組織学的に非ホジキン悪性リンパ腫と診断された14例について臨床的検討を加えた。性別は, 男性10例, 女性4例で, 年齢別では40歳台が最も多く, 14例中11例が40歳以上であった。初発部位は顎下リンパ節4例, 頬部3例, 上顎歯肉歯槽部2例, 舌根・扁桃部1例, 耳下腺部1例であった。初診時臨床所見では, 全例に罹患部の腫脹が認められ, 次いで, 頸部リンパ節腫脹, 知覚異常, 歯の動揺が多くみられた。病理組織学的には, LSG分類^1)によればDiffuse Lymphoma10例, Folicular Lymphoma3例で残り1例は, 壊死が著しく分類下能であった。治療は, 主に放射線療法と化学療法が併用され, 線量は30〜114Gyの広範囲に及んでおり, 化学療法はVQFP療法が中心であった。予後に関しては, 追跡調査が可能であった!2例中, 死亡例が7例で残り5例は初診から最長7年を経過した症例も含め現在当科外来にて経過観察中である。
東北大学の論文
1984-08-15