顎顔面外科が基本とするべき考え : 口腔顎顔面の健康には形態的・機能的口腔顎顔面の調和が必須

概要

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顎顔面外科は歯科医学であるかどうかが, 疑問視されている。本総説の目的は, 日常の我々の活動の理論的根拠を示すことで, この疑問を取り除くことである。顎顔面外科としての我々の仕事は, 口腔顎顔面の健康にとって口腔顎顔面の形態的・機能的調和が不可欠であるという理論的根拠に基づいて実施されている。しかし, この調和は歯や歯周組織の疾患や歯の欠損だけでなく顎骨や顎顔面の軟組織の変形によっても大きく乱される。顎顔面領域には再建を必要とする多種多様な骨格性と軟組織性の変形が存在する。この変形に対する我々の顎顔面外科としての対応は, 口腔顎顔面の健康には口腔顎顔面の調和が必要不可欠であるという考えに基づいて実施されている。この基本的考えに基づいて治療が進められた4症例を紹介し, 顎顔面外科について具体的に解説した。顎顔面外科は健全な咀嚼や構音と呼吸を担う良好な咬合を支える口腔顎顔面の形態的・機能的調和の再構築を目標としていることを示し, 顎顔面外科学が歯科医学そのものであることを明確にした。
東北大学の論文
2004-06-30