乳児の指さし行動の発達的変化 ; 手話言語環境にある聾児と聴児の事例から

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概要

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手話言語システムの中で､指さしは複雑で重要な機能を担っている｡本研究では､手話言語環境にある前言語期の聾児及び聴児の指さしの使用がどのように変化するのかについて明らかにするため､手話言語環境にある前言語期の聾児及び聴児の表出した指さしを量的､質的に分析した｡その結果､①対象児は､発達に伴い､指さしが具体物を表すだけでなく､その場にないものを表すようになり､その使用範囲を広げていったこと､②対象児は､発達に伴い､指さし時に聞き手を意識するようになり､指さしをよりコミュニカティブに使用するようになったこと､③聾児において､指さしが文法マーカーとして機能している例も観察されたこと､が明らかになった｡このように､手話言語環境にある聾児や聴児にとって､指さしは単なる前言語行動ではなく､指さしが手話言語に取り入れられる中で､指さしの抽象性を高め､その使用範囲を広げていることが分かった｡
筑波大学の論文
1999-02-15

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