聴覚障害学生へのパソコン要約筆記における音声-文字変換の特徴
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概要
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聴覚障害学生への文字による支援としてパソコン要約筆記が近年広まり始めている。しかし、十分な専門知識や技術を持たない学生が支援を担う現状がある。そこで、学生によるパソコン要約筆記により、授業の情報がどの程度視覚的に提示されているのかを明らかにするため、講義場面での要約筆記結果を詳細に分析した。その結果、発話量の4〜6割が文字に変換されていた。また、重要文節及び必須文節要約率が全体要約率より1〜2割多いこと、「同一」手法が多用されていることから、原文に忠実にかつ重要部分を選択的に文字変換していることが示唆された。さらに、どの対象者も読みやすさを考慮していることが窺えた。音声-文字変換時の平均タイムラグは3〜8秒で、タイムラグが長くなると、要約筆記手法を工夫してタイムラグを縮める様子が窺えた。全体タイムラグが20秒以上に達すると、原文をそのまま削除する傾向が見られ、経験が短い者ほど顕著であった。
- 2009-03-25
著者
-
四日市 章
筑波大学 障害科学系
-
四日市 章
Graduate School Of Comprehensive Human Sciences University Of Tsukuba
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四日市 章
筑波大学大学院人間総合科学研究科
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有海 順子
筑波大学大学院人間総合科学研究科
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