宇宙環境試験装置
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概要
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本論文は宇宙科学研究所が相模原新キャンパスに新に設置した宇宙環境試験装置(スペースチェンバー)について述べる。本チェンバーは我が国最初の惑星間探査機"さきがけ"と"すいせい"の熱真空試験に間に合うよう建設された。このチェンバーは内径4m, 直胴部の高さが5mの垂直円筒型で, 本体は2階ステージ上の高所に固定し, 供試体の出し入れのためには下部蓋が電気駆動で上下する下部蓋昇降方式を採用した。真空排気系は供試体の光学系やセンサー類の保護のため, オイルフリーシステムとなっており, 排気速度10^51/sec のヘリウムクライオポンプを主排気装置として, これに直結型クライオポンプ, ターボポンプ, メカニカルブースター及び油回転ポンプが組み合わされている。排気能力は真空度が無負荷時で排気開始後8時間以内に2×10^-8 Torr 以下に達し, また窒素ガス0.05 Torr・1/sec の負荷に対しても5×10^-7 Torr 以下を維持出来る。シュラウド冷却には5000 1/hour の渦巻式液体窒素ポンプを使用しており, 冷却開始後2時間以内に100K以下に冷却可能である。また, 本装置は省力化のため液体窒素ポンプの自動立ち上げ方式を採用するなど, 自動運転能力を大幅に向上させており, 定常運転は1∿2名で可能である。また, 太陽からの熱入力を模擬するのには, 通常のキセノン疑似太陽光源の代わりに供試体にヒーターパネルを取り付け, その入力電力を姿勢や軌道条件に応じてコンピューターを用いた熱入力制御装置で制御する方式を取っている。本装置は既にこれまでに"さきがけ", "すいせい"の2つの惑星間探査機の熱真空試験やX線天文観測衛星"ASTRO-C"の熱モデル試験等に使われたが, 何れも期待通りの性能を発揮した。
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
-
徳永 好志
宇宙科学研究所
-
大島 勉
宇宙研
-
大島 勉
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部
-
大島 耕一
宇宙研
-
大島 耕一
宇宙科研
-
北山 尚男
日本酸素株式会社
-
大島 耕一
宇宙科学研究所
-
徳永 好志
宇宙科研
-
橋本 正之
宇宙科研
-
林 友直
千葉工業大学付属総合研究所
-
橋本 正之
文部省宇宙科学研究所
-
大島 勉
文部省宇宙科学研究所
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